欧州

2024.08.02 09:30

ウクライナ軍、FPVドローンでロシア軍のヘリを初撃墜

戦争拡大から2年半近くたつなか、ウクライナ軍のドローン操縦士はロシア側の目標の最も脆弱な箇所をピンポイントで狙えるほど熟達している。脆弱な箇所というのは、たとえば装甲兵員輸送車の開いたハッチ、いわゆる「亀戦車」の追加装甲の下、補強された歩兵壕の入口などだ。

直径90cmほどのハッチに比べれば、Mi-8の直径約3.7mのローターディスク(回転翼が描く円形面)は狙いやすいと言えるだろう。

今回の攻撃で最も驚くべき点は、撃墜されたヘリまでの距離かもしれない。ドネツク市の西端は前線から5km程度しか離れておらず、FPVドローンの十分な射程圏内に入る。だが、撃墜地点はドネツク市の東端あたりとされ、前線から15kmかそこら離れている。2人目のブロガーは、ドローンが飛行してきた距離は「重大」だと警鐘を鳴らしている。

FPVドローンが15km程度離れた場所まで飛ぶには、数km後方で滞空し、短距離コマンド信号を中継する2機目のドローンの支援が必要かもしれない。入念な連携を必要とする複雑な作戦になるだろう。

ロシア軍はヘリコプターを数百機保有しており、これまでにウクライナ軍の戦闘で損傷分を除くと100機ほど失っている。さらに1機の損失はロシア側にとって破滅的なものにはならないが、ウクライナ側は今回の初成功に続いてドローンによるヘリ撃墜にいっそう注力する可能性がある。

ウクライナ軍が毎月使用しているFPVドローンの数を踏まえれば、ロシア軍のヘリに対する脅威はますます高まることになるかもしれない。

forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

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