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2024.08.04 08:00

生成AIが変える「ストーリーテリング」の最前線

Getty Images

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「ストーリーテリング(物語を語ること)」のアートやサイエンスは、AI(人工知能)の登場によって、どう変わっていくのだろうか?

この問いに対する理解を深めるため、筆者は、クリエイター向け動画共有サイトのVimeo(ヴィメオ)で最高マーケティング責任者(CMO)を務めていたリン・ジロットに話を聞いた。同氏はヴィメオにおいて、3億人を超える映像作家やマーケティング担当者、コンテンツ・クリエイターからなるコミュニティーをサポートしてきた実績を持つ人物だ。

クリエイティブ分野におけるAIの役割について、ジロットは以下のように述べる。「AIは、アートやビジネスへのエントリーを容易にする役割を果たす。なぜならAIは、『自分のアイデアを、効果的かつ興味深い形で人々と共有できる』という自信を、皆に与えるからだ」

「インディーズ映画の制作に取り組む映像作家、初めての製品紹介動画を作成している小規模企業、あるいは、全社員に向けて訓示を行う最高経営責任者(CEO)と、役割はなんであれ、誰もが『映像を通じて自分自身を表現できる』という確信を持てるはずだ」

「毎日、次から次へと大量の動画が制作されているが、人々の注意持続時間は短くなる一方だ。私は役職上、クリエイターの緊密なコミュニティーをサポートしてきたが、彼らは、この『注意持続の危機』のなかでも、ノイズの海を打破しようとして、絶えず努力を続けている。インフルエンサーや小規模企業、映像作家や企業のマーケティング担当者、Z世代やミレニアル世代。立場はさまざまだが、いずれの人も、それぞれの目的に合った動画を制作している」

「従ってAIは、短期的には『あれば嬉しいもの』であり、長期的には『持つ必要があるもの』になると、私は確信している。これは、10年前に起きたモバイル版ウェブサイトの進化と同じような流れだ」

「AIに関して、私が好ましく思っているのは、AIがバックエンドのタスクをこなしてくれるため、クリエイティブチームがアイデアを形にすることに集中できる点だ。仮に彼らが行き詰ってしまったとしても、プロンプトを(AIに)入力し、作家につきもののスランプを克服するためのヒントを生成することができるはずだ」

「自身の語りたいストーリーを伝えようとするクリエイティブチームは、生成AIであれ、今後登場する新たなテクノロジーであれ、こうしたツールに完全に頼ることは決してできないだろう。AIは、こうしたストーリーを語るために必要とされる時間やスキルを削減するツールの一つにすぎない」
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翻訳=長谷 睦/ガリレオ

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