健康

2024.08.06 16:45

過労死問題を解消するイギリスのAIメンター「Syd」

iamYiam公式ホームページより

人手不足、低賃金、物価高などなど、日本の労働環境はなかなか改善されない。厚生労働省の2023年度『過労死等防止対策白書』は、2022年の「仕事や職業生活に関する強い不安、悩み、ストレスを感じる労働者の割合」が8割強だと報告している。そんな、身も心もボロボロの日本人に、イギリスから助けの手が差し伸べられる。AIスーパーアプリ「Syd.life」(シドライフ)だ。

Syd.lifeは、ロンドンに拠点を置くAIヘルステック企業iamYiam(アイアムワイアイアム)の製品。「120万本以上の研究論文を分析・学習した知識ベース」をもとに、「ユーザーの身体的、社会的、環境的、意義的、感情的、精神的な健康に関する洞察を提供」するというAIメンターのSydがユーザーの生活の質を支える、非常に多機能なアプリになっている。

開発したのは同社のCEO、ロレーナ・プイカ氏。物理学者の父と企業家の母との間に生まれた彼女は、24歳で5つの学位を取得。投資運用のキャリアを築くと同時にアスリートとして2つの世界記録を持つといった秀才。やがて健康を害し、既存の医学的アドバイスに満足できなかったプイカ氏は、科学的根拠にもとづく治療用ツールをみずから開発した。その3年後、これをもとにAIプラットフォームを構築。2016年、iamYiamを創業して、Syd.lifeの提供を開始した。

250万人を超える臨床試験のメガデータ、AI、遺伝学などを統合したSyd.lifeは、現在26カ国で栄養、キャリア、財務などの広い分野にわたるサポートを展開している。10年後には143カ国で10億人の生活の質の向上を目指すという。

日本では、自動車、半導体、ソフトウェア開発の老舗であるコシダテックが日本での独占販売契約を締結し、運営を開始する。リリース時期や価格などは明らかにされていないが、今後5年間で700万人以上への提供を目指すということだ。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

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