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2024.08.01 12:00

メタの純利益が73%増の2兆円、広告事業が好調でAI投資も増額

メタCEOのマーク・ザッカーバーグ(Photo by Jeff Bottari/Zuffa LLC via Getty Images)

メタCEOのマーク・ザッカーバーグ(Photo by Jeff Bottari/Zuffa LLC via Getty Images)

米メタ・プラットフォームズが7月31日に発表した2024年第2四半期決算(Q2)は、売上高と純利益がアナリスト予想を上回った。特に純利益は前年同期から約73%増加し、広告事業の収益が、メタバースや人工知能(AI)関連の巨額の損失を上回った。これを受け、同社の株価は時間外で一時5%以上上昇した。

Q2の収益は391億ドル(約5兆8000億円)で、アナリスト予想の383億ドル(約5兆7354億円)を上回った。純利益は135億ドル(約2兆円)で、予想の123億ドル(約1兆8419億円)を大幅に上回った。同社は第3四半期の収益を385億ドル(約5兆7653億円)から410億ドル(約6兆1397億円)と予想しており、その中央値の398億ドル(約5兆9520億円)は市場予想の391億ドル(約5兆8473億円)を上回った。

メタは通年の経費を960億ドル(約14兆3566億円)から990億ドル(約14兆8053億円)と予想しており、こちらも以前の見通しと一致している。一方、AI関連の支出の上昇を投資家が懸念する中で、通年の資本的支出のレンジを以前の350〜400億ドルから370〜400億ドル(約5兆5284~5兆9766億円)に引き上げた。

メタの株価は、決算発表後に5%以上上昇した。ただし、同社の株価はハイテクセクター全体の低迷により、過去3週間で10%以上下落していた。

メタバースやAR及びVR(拡張現実・仮想現実)の取り組みを含むリアリテリィラボ部門の四半期の損失は45億ドル(約6723億円)を記録した。これは同部門の2021年の立ち上げ以来で最大の営業損失であり、予想と一致した。

メタは、2021年10月に社名をフェイスブックからメタに変更し、メタバースへの意欲を示したが、本質的にはソーシャルメディア企業であり、フェイスブックやインスタグラム、ワッツアップなどの広告が収益の99%を占めている。グーグルの親会社のアルファベットも、収益の約4分の3を広告から得ているが、同社の広告からの収益は、メタの約2倍に達している。

メタの株価は、社名の変更の直後から急落し、2022年11月には、2021年9月のピーク時の株価を約80%下回る底値に沈んでいた。この下落は、広告売上の減少とメタバース関連の支出の増加によって、5四半期連続で利益が減少したことに起因していた。

しかし、メタCEOのマーク・ザッカーバーグは、2023年を「効率化の年」にすると宣言し、2万人の従業員を解雇するなどのコスト削減策を通じて利益率を大幅に回復させ、過去5四半期連続で年率換算で40%以上の増益を達成した。現状のメタの株価は、2021年のピークを20%以上上回る水準に達しており、7月の10%以上の下落を経た後も、2023年の年初から300%以上上昇している。

また、同社は2月に史上初の配当として1株あたり0.50ドルを支払うと発表した。このことは、同社の企業としての成熟と安定したキャッシュフローを示している。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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