マイクロソフトは最新の四半期決算で、ゲームハードウエアの売上高が前年同期比で42%減少したことを明らかにした。減少率は、前四半期の31%からさらに悪化している。朗報は、ゲーム部門の売上高が全体で44%増加したことだ。これはもちろんアクティビジョン・ブリザード買収によるもので、その分がなかったら増加率は3%ほどだったであろう。
マイクロソフトのXboxブランドをめぐる状況は、ますます奇妙なものとなっている。同社はゲーム機を超えたXboxの「エコシステム」を作ろうとしており、その大部分はゲームストリーミング分野に依存しているが、同分野が市場に占める部分は今のところ非常に小さい。サブスクリプションサービス「Xbox Game Pass」は新型コロナウイルス流行中に会員数が急増したが、マイクロソフトはその後2年間にわたり会員数を公表しなかった。今年2月になってようやく、3400万人の会員がいることを明らかにしたが、この人数にはもともと「Xbox Live Gold」に加入していたが「Game Pass Core」に移行させられたプレイヤーも含まれており、会員数の実質的な増加幅は不明だ。
さらにマイクロソフトは、「Xbox Game Pass Ultimate」の料金を値上げすると同時に、同サービスの大きな魅力だったXbox独占タイトルの初日リリースを含まない新プラン「Xbox Game Pass Standard」を導入し、非難を浴びている。これについては米連邦取引委員会(FTC)までもが、アクティビジョン・ブリザード買収をめぐる訴訟で裁判所に提出した書類で、Game Passを「劣化」させるものだとして懸念を表明した。マイクロソフトはこれに反論。実際、世に存在するあらゆるサブスクリプションサービスが値上げに踏み切っていることを考えると、Game Passの値上げは不当だとの主張にはやや難がある。