2024.07.31 09:30

訪問者数制限、二重価格制、行動促す特典 オーバーツーリズム対策の現在地

Lewis Tse / Shutterstock.com

イタリアのベネチアでは2021年、抗議者の激しい反対闘争の末に大型クルーズ船の乗り入れが禁止された。ベネチアは今年、観光客数を抑えるために日帰り観光客から入域料を徴収する制度も試験的に導入している。

特典を通じて行動変容を促す北欧の試み

デンマークの首都コペンハーゲンでは、持続可能な行動した観光客に見返りを与えるという別の方策がとられている。たとえば、市内の発電所の屋上につくられた人工スキー場では7月15日から、自転車か公共交通機関を使って訪れた客は追加で20分間スキーを楽しめる。
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これは、コペンハーゲンの観光機関ワンダフル・コペンハーゲンが今夏実施している「CopenPay」と呼ばれるプログラムの一環で実施されているものだ。CopenPayではこのほか、北欧最大の都市菜園「Øens Have」でボランティアをするとベジタリアンの食事を提供してもらえたり、自然豊かな敷地に納屋や温室などがある「BaneGaardens」でごみ拾いをすると無料でオーガニック料理を堪能できたりもする。「GreenKayak」では、水上のごみを集めればカヤックを無料でレンタルできる。

ワンダフル・コペンハーゲンのミケル・アーロ・ハンセン最高経営責任者(CEO)は、CopenPayは「環境に責任をもちつつ楽しめる、有意義で記憶に残る体験をつくり出そうとするものです」と米公共ラジオのNPRに説明している。

当局者らはこのプログラムが年間を通じたものになることや、同様の取り組みがデンマーク全土に広がることに期待を寄せている。
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forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

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