29日、テスラの株価はS&P500種株価指数を構成する銘柄の中で6番目に大きな上昇率を記録し、10ドル高の232ドルをつけた。同社の株価は、複数のアナリストの前向きなコメントに後押しされた。
モルガン・スタンレーの自動車アナリストであるアダム・ジョナスは、29日の顧客向けメモでテスラを自動車株のトップピックに挙げ、コスト削減が利益の減少を食い止めるという楽観的見方を示した。彼は、テスラが人工知能(AI)ロボット市場の中心になる可能性を指摘し、その目標株価として、現在の株価水準よりも約35%高い310ドルを維持した。
スティーフェルのアナリスト、スティーブン・ゲンガロも29日、テスラの利益率の低下が底を打つと予想し、フルセルフドライビング(完全自動運転、FSD)プログラムが「長期的な成長と差別化の重要な推進力になる」と述べて、買い推奨とした。
パイパー・サンドラーのアレクサンダー・ポッターは、FSDがテスラのバリュエーションを高めるという見方にさらに楽観的で、29日のメモで「テスラは自動運転のパズルを解決したかもしれない。他に気を取られないでテスラを買おう」と書いた。
ファクトセットがまとめたアナリスト予想によると、2022年から2023年にかけて23%減少したテスラの利益は、2023年から2024年にかけてさらに27%減少する見通しだ。しかし、テスラCEOのイーロン・マスクは、この状況を「2つの成長の波の間の一時的な中休み」と表現しており、自動運転やヒューマノイドロボットなどのプロジェクトが成功すれば、再び成長軌道に乗れるという楽観的な見方も上がっている。
一方、最も著名なテスラの懐疑論者の一人であるバーンスタインのトニー・サッコナギは、テスラの目標株価を120ドルとしている。彼は、「自動運転は勝者総取りの市場ではないかもしれない。もしそうだとしても、テスラが勝つとは限らない」と述べ、「成長株は成長する場合にのみ機能する」と付け加えた。
(forbes.com 原文)