欧州

2024.07.30 09:30

ウクライナのドローン、1800km離れたロシア北西部の爆撃機基地を攻撃か

ロシア軍に63機前後あるTu-22M3や、55機ほどあるTu-95戦略爆撃機、17機あるTu-160戦略爆撃機は、ウクライナの軍人や民間人を巡航ミサイルでたびたび攻撃している。大量のミサイルを一斉に発射してウクライナ側の防空網を圧倒しようとするもので、実際にそれに成功することも多い。

これらの爆撃機は通常、目標から数百km離れた空域からミサイルを発射するので、ウクライナ軍のほとんどの防空システムでは遠すぎて撃ち落とすことができない。ウクライナ軍は4月にロシア南部上空でTu-22M3を1機撃墜したもようだが、これは珍しい事例だ。使われたのはS-200地対空ミサイルシステムだったとみられる。

ウクライナ側は全長約42.5m、可変翼のこの大型爆撃機を駐機中に狙うのが普通だ。2022年と2023年にもロシア国内の爆撃機基地をドローンで攻撃しており、1機を撃破、もう1機を損傷させたもようだ。

27日にあったとされる襲撃で、オレニャ飛行場に駐機中の爆撃機が被弾したのかどうかは不明だ。今後も明らかになることはないかもしれない。ロシア当局がこの種の損失を認めることはめったになく、アナリストらが商用衛星画像を精査し、焼けた機体などの証拠を探すことになる。現時点で、この飛行場でTu-22M3の破壊がはっきり確認できる衛星画像はない

だが、明確なことがひとつある。ウクライナの情報総局は、駐機中で最も攻撃に弱い状態にある強力なロシア軍機に対する攻撃をたんに続けているだけでなく、エスカレートさせているということだ。報道どおりに攻撃が行われたのだとすれば、ロシア軍の爆撃機は前線から1800km以内のどこに置かれても安全ではないということになる。

forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

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