調査会社Circanaのデータによると、『ヒルビリー・エレジー』の販売部数は、7月20日までの1週間で19万7000部を記録し、全てのジャンルの中で最も売れた本になったという。ヴァンスが副大統領候補に指名されたのは7月15日のことで、その前の週の販売部数は1500部だった。つまり、彼の書籍の売上はこの期間で約130倍に伸びたことになる。
出版元のハーパー・コリンズは、電子版とオーディオブックを含めた売上は、7月15日から25日までの間に60万部に達したとAP通信に語った。同社は、書店での需要の急増を受けて、数十万部の増刷を決めたと述べている。
ヴァンスが2016年に出版した『ヒルビリー・エレジー』は、ラストベルトと呼ばれる米国中西部での彼自身の幼少期を描いたもので、白人が大多数を占める米国の地方の暮らしを克明に描き、トランプ支持の高まりを説明する著作として注目を浴びた。
この作品は、エイミー・アダムスとグレン・クローズ主演で2020年にネットフリックスで映画化され、クローズはアカデミー賞の助演賞にノミネートされた。現在39歳のヴァンスは、米国海兵隊に入隊しイラク戦争に従軍したのち、オハイオ州立大学を経てイェール大学ロースクールを卒業した。弁護士で元ベンチャーキャピタリストの彼は、トランプの支持を受けて2022年に上院議員に当選した。
カマラ・ハリス副大統領による2020年の著書『私たちの真実 アメリカン・ジャーニー』も、彼女が大統領選への出馬を宣言して以来、売上を伸ばしているが、『ヒルビリー・エレジー』ほどの人気にはなっていない。この書籍は、彼女の出馬宣言の前にはアマゾンのベストセラー本リストで3万位以下だったが、25日には97位に浮上した。
(forbes.com 原文)