今回の取材相手はMTU株式会社の代表を務め、医療xサイバーセキュリティー領域で事業を展開する原 拓也代表取締役社長と同社の技術顧問でありコインチェック株式会社創業者の和田 晃一良氏だ。
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多くの医療機関はセキュリティー対策が万全ではない
原社長は慶應義塾大学を卒業後、ジョンソン・エンド・ジョンソンに入社。入社してわずか数年でトップセールスとして日本営業表彰をされた。癌家系で生まれた原社長は幼少期から、いつか医療関係の仕事に従事したいという強い思いがあり、起業する。医者と患者を繋ぐメディアプラットフォームは約3.6億円で事業売却。2度のエグジット経験を経てして立ち上げたのが、MTU株式会社である。人類の健康寿命を伸ばしたい、その思いで見つけた医療業界の課題が、サイバーセキュリティーである。2023年4月より医療法施行規制改正でサイバーセキュリティー対策が義務されたが、多くの医療機関が万全なセキュリティー対策を講じているとは言えない。
医療従事者からしたら、日々の医療業務に追われ、それどころではないということ、医療機関にはITの技術者が限られ、誰に頼っていいのかわからない状態であることが現在の我が国の医療機関におけるサイバーセキュリティーの欠落の要因ともいえる。
またサイバーアタックを受けて医療機関に被害が起きてからでは、我が国の警察では対応仕切れないことも事実である。日本の医療はサイバーテロリストにとって無法地帯といっても過言ではない。