時代遅れの慣行は、ただ不便なだけでなく、非効率の重大な原因でもある。Capterra(キャプテラ)が2023年に発表した調査リポート『Work Friction is Causing Employees to Go Rogue(仕事上の摩擦が従業員を荒れさせている)』を見てみよう。
プロセス・ハッキング、つまりワークフローの改善や合理化に取り組む従業員は、予期せぬ事態に対応することができ、主要目標を達成する可能性が、少なくとも20%高いという。しかし多くの企業は、お役所仕事と時代遅れの手続きに縛られたままだ。
こうした非効率性が現実に与える影響は計り知れない。マッキンゼーによる2023年の調査では、従業員の約53%がやる気を失っているか、積極的に手を抜いていることがわかった。このような状態は、生産性を妨げるだけでなく、価値を破壊する。
一方、熱心に仕事に取り組む従業員は、価値を生み出し、成功を推進する。両者の違いが、繁栄する企業と失敗する企業の違いになる。つまり、生と死だ。
では、このような職場における「ゾンビによる終末」に、どう立ち向かえばいいのだろう? その解決方法は、現在のプロセスやお役所仕事に挑戦し、本当に重要な仕事に集中することだ。目標は、時代遅れの慣行に新しい命を吹き込もうとすることではなく、今ある重荷を切り離すことなのだ。
ステップ1:プロセスの棚卸し
職場再生の第一歩は、現在のプロセスをすべて把握することだ。これには、価値ある仕事とは何かを定義することも含まれる。すべてのタスクとプロセスをリストアップし、必要な時間と影響に基づいてランク付けしよう。目標は、「多くの時間を消費するにもかかわらず、影響は小さいか、全くないタスク」を特定して排除することだ。影響の大きい活動に集中することで、時間とリソースを、より有意義な仕事のために確保できる。
次には、さらに一歩進んで、冗長で重複した仕事を特定しよう。チーム間でタスクリストを比較すれば、複数の人が同じ仕事をしていないかを突き止めることができる。部署間の冗長性も、存在する可能性がある。
これらを実行することで、無駄な努力を減らしてワークフローを合理化し、最終的に、チームの有効性とリソース配分を増強できる。
ステップ2:お役所仕事の特定と挑戦
お役所仕事は、創造性と効率性を蝕む。また、イノベーションを阻害し、従業員をイラつかせる。この問題に立ち向かうためにはまず、各プロセスの必要性について疑うことから始めなければならない。本当にその方法で行う必要があるのか、それとも、時代遅れのシステムの遺物にすぎないのかを自問してみよう。ある慣行が創造性や効率を妨げているのであれば、それを手放すときだ。
こうしたプロセスを継続するには、定期的に自問を繰り返し、これは必要なことなのか、それとも妨げになりそうなのかについて見極めることだ。具体的には、「もしこの報告書を作成しなかったらどうなるだろう?」、「このタスクを新人に教える場合としたら、作業を可能な限り合理化するために何を伝えるだろう?」などと自問してみよう。こうした挑発的な質問が、不要なお役所仕事の特定に役立つ。