テーマパーク事業は減速の見通し
パンデミック後に最も好調だったディズニーのテーマパーク事業は、第3四半期にかけて成長が鈍化すると予想される。 2024年度第2四半期のパーク&エクスペリエンス部門の収益は、ディズニー・クルーズライン事業と米国のディズニー・ワールドが牽引し、前年同期比約10%増の84億ドル(約1兆2895億円)となった。リニューアルオープンや新アトラクション「ワールド・オブ・フローズン」などにより好調だった香港ディズニーランドなどが海外事業を牽引した。しかし、ディズニーの経営陣は、パンデミック後に記録したピークから減速の兆しが見られると話しており、この成長率は持続可能ではないことを示している。実際、テーマパークのユニバーサル・スタジオなどを展開するコムキャストは、テーマパーク事業からの収益が11%近く減少して19億8000万ドル(約3036億円)になった。これは、ユニバーサル・スタジオに新しいアトラクションがなかったことが一因と考えられるが、パンデミック後に見られた旅行需要の急増が落ち着いてきたことも原因の1つだろう。
逆風にさらされるエンターテイメント事業
ディズニーのエンタテインメント事業は、広告収入とアフィリエイト収入の減少により、第2四半期は減収となった。同事業全体の収益は前年同期比5%減の98億ドル(約1兆5036億円)で、混迷する経済環境や個人消費の低迷を受け、第3四半期以降も逆風が吹く可能性がある。ただし、全世界で10億ドル(約1533億円)を超える売上を記録したアニメ映画『インサイド・ヘッド2』などが貢献し、映画関連の事業は多少盛り上がる可能性がある。ストリーミング事業は、競争の激化、値上げによる悪影響、そして、インドのプロクリケットリーグであるインディアン・プレミアリーグのストリーミング配信権の喪失など、このところ逆風にさらされている。しかし、前四半期のストリーミング事業全体の収益は、Disney+の加入者数が600万人以上増加し、ARPU(ユーザー1人あたりの平均売上)も上昇したことなどから、約13%増の56億ドル(約8581億円)だった。