北米

2024.07.29 09:00

カマラ・ハリスとウォール街、「過去の対立」にも関わらず支持する人々

Andrew Harnik/Getty Images

米民主党の大統領選候補者の指名を勝ち取ると見られるカマラ・ハリス副大統領は、金融界に知名度の高い支持者を多く抱えている。米最大手行の頭取との「喧嘩 」など、これまでウォール街と時に対立してきた過去があり、ハリスがドナルド・トランプ前大統領に勝利した場合、金融企業の株価は軒並み下落するとアナリストらが予想しているにもかかわらずだ。

ハリスを支持していると報じられている金融関係者には、資産運用会社ブラックストーン社長のジョナサン・グレイ、クレジット投資会社アベニュー・キャピタル・マネジメント創業者のマーク・ラスリー、ヘッジファンド王のジョージ・ソロスといった富豪がいる。ウォール街からやや離れた富豪では、メディア王バリー・ディラーや建設王ボブ・クラークなどがいる。

その他には、ラザード投資銀行のピーター・オルザグCEO(最高経営責任者)やレイ・マクガイア社長、ハイテクに特化した投資調査会社エバコアISIの共同創業者ロジャー・アルトマン、ゴールドマン・サックスの元共同会長でクリントン政権で財務長官を務めたロバート・ルービンなど、金融界の大物がハリスを支持していると報じられている。

金融規制に関するハリスの取り組みはこれまでのところかなり限定的だが、ハリスはカリフォルニア州司法長官として、金融危機時の住宅ローンの不適切な処理についての大手行との2012年の和解で、住宅所有者のために約200億ドル(約3兆750億円)超の資金拠出を勝ち取った。和解交渉中にJPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモンCEOと交わした電話について「喧嘩をしている2匹の犬のようだった 」と2019年刊行の回顧録で述べている。

おそらくハリスの上院議員としての4年間で金融に最も関係する取り組みは、州検察が金融詐欺を捜査するために銀行に記録の提出を命じることを可能にする「ウォール街幹部の説明責任法」を2019年に提出したことだろう。

トランプを支持する著名なウォール街の富豪には、TDアメリトレードの元会長J・ジョー・リケッツ、著名ヘッジファンドマネジャーのジョン・ポールソン、ブラックストーンでのジョナサン・グレイの上司になるスティーブン・シュワルツマンCEOらがいる。
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翻訳=溝口慈子

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