3. ライバルは人間的にも職業的にも成長を後押しする
2017年の研究論文では、他者との比較によって自分を評価する「社会的比較」の力学が職場での行動に及ぼす影響を調査し、仕事上のライバル関係がどのように個人の成長を促進するかを詳らかにした。• 評価と基準設定
社会的比較は、高いパフォーマンスを有する同僚との比較を通じて、個人が自分に足りていないスキルを特定し、到達すべき基準を設定するのに役立つ。
• モチベーションと目標設定
競争的な環境は、従業員がより高い個人目標を設定し、同僚を凌駕しようと努力する動機付けとなり、個人的および職業的な成長を促進する。
• 行動調整
同僚が業績を上げているのを目の当たりにすると、ポジティブな行動が減り、ネガティブな行動が増えるという研究結果がある。しかし、この事実を自覚すれば内省が促され、仕事に対するアプローチを自ら調整して建設的な業績の向上に集中できるようになる。
• 時間的変化の認識
社会的比較に時間的側面が加わることで(たとえば同僚の業績が時間とともに向上していくのを見るなど)、自分の進歩をどう認識するかが変わる。これは継続的に改善を求める心構えを維持する動機付けとなり、短期的な利益を求めるよりも、個人の成長につながる長期的な戦略をとる行動が促される。
ライバル関係が争いの種になることもあるが、健全な職場のライバル関係は、目覚ましい成果を生む原動力になる。自分のモチベーションを自発的に上げられる人もいれば、外部との競争を通じて高めていく人もいる。時にはたった一人の存在が誰かの人生に大きな影響を与え、それがライバル関係に発展することもある。
結局のところ、宿敵なくしてヒーローは生まれないのだ。
(forbes.com 原文)