第1大隊と第3大隊は24日、救援を待つのでなく、自ら戦って包囲を突破することにした。第31旅団のほかの部隊と、近傍の第47独立機械化旅団が突破を支援したようだ。
ウクライナの調査分析グループ、ディープステート(DeepState)は25日、「砲兵部隊、航空偵察部隊など関連部隊の連携した支援と、現場の将校らの指揮によって、第1大隊と第3大隊の兵士らは総勢で包囲を突破できた」と報告した(編集注:ディープステートによると24日に完全に包囲されていた)。
脱出に成功したことで、数百人いた可能性もある兵士らは死亡したり、捕虜になったりする危険を免れた。また、ロシアの政権にプロパガンダ上の大きな勝利を与えずにも済んだ。とはいえ、プロフレス方面のウクライナ軍部隊の根本的な問題であるリーダーシップ(統率力や指導力)の欠如は対処されていないままだ。
ウクライナのシンクタンク、防衛戦略センター(CDS)の25日の作戦状況評価によると、プロフレス方面ではロシア軍機が「戦術後方に強力な空爆を行った」あと、ロシア軍部隊が先週から前進し始めた。混乱のなかで、この方面に配置されているウクライナ軍の旅団のひとつ、おそらく第110独立機械化旅団か第111独立領土防衛旅団が総崩れになった。
もっとも、失態を演じたのはその旅団の下士官や兵卒ではなく、幹部たちだった。ウクライナの戦場記者ユーリー・ブトゥソフは、最大の問題は「わが軍の作戦行動の管理と組織化」だと伝え、「指導力が弱い旅団が攻撃を受ければ、限られた防御線ですら保持できない」と警告している。
ウクライナ軍部隊が逃げ惑うなか、ロシア軍第1軍団の数個自動車化狙撃連隊はその機に乗じて1週間で6km前進し、プロフレスを占領した。村の北にいたウクライナ軍第31旅団の2個大隊も駆逐した。