アートとエンジニアリングを融合させた 次世代CGクリエイター:wanoco4D

wanoco4D(和野公星)(25)| CGアーティスト

wanoco4D(和野公星)(25)| CGアーティスト

8月23日発売のForbes JAPAN10月号では、次世代を担う「30才未満の30人」を選出する「30 UNDER 30」を発表した。本記事では、30人の受賞者のなかから、wanoco4D(和野公星)を紹介する。


荒廃した街を歩くシュモクザメをモチーフにした戦闘機に、仮想空間を思わせる都市を高速走行する未来的な車。SF映画さながらの映像で見る者を驚かすwanoco4D(和野公星)の作品だ。一般的な3DCG制作では分業化・専門化されている「モデリング」「リギング」「アニメーション」などの工程。和野はこれらを“ごちゃまぜ”にしながら、キャラクターや乗り物、背景の制作までひとりでこなし、複雑ながら調和の取れた唯一無二の世界をつくり出している。

独創性の源は、幼少期に魅了された生き物や乗り物の図鑑。「数学は、公式を見ずに自分で解き方を編み出すのが好きだった」という和野は、高校時代に3DCG制作ツールのBlenderを手探りで習得。「レゴはパーツありきで創作するけれど、Blenderはゼロからカッコよさを追求できる」と、車や飛行機などの3DCG制作にのめり込んだ。京都大学工学部では機械を専攻し、修士でジェネレーティブデザインを学んだ。

「アルゴリズムが自動で設計案を生成するこのデザイン手法では、頭のなかでは考えられない斬新なデザインが生まれる。楽しいんですよね」

23年にVFXスタジオのKASSENに入社。VTuber・星街すいせいのMV「Igniter」で初の監督を務め、近未来感漂う宇宙都市をつくり上げた。「夢は、新たなCG制作フローを構築して、映画をつくること。世界に誇れるコンテンツやIPをつくりたいです」

※本記事は誌面掲載時のタイトルから変更しました。


わのこふぉーでぃー◎1999年生まれ、静岡県出身。2023年にKASSEN入社。大学院生だった22年に初の商業作品としてサントリーの広告を手がけ、その後もMVや広告などを制作。24年には「クラウンセダン」(トヨタ)のアニメーションなどを制作。

ベスト59400円、シャツ39600円(ともにアンデコレイテッド/アンデコレイテッドTel:03-3794-4037)ネックレス29700円(アダワット トゥアレグ/アダワット トゥアレグTel:050-5218-3859)

世界を変えうる30歳未満にフォーカスする企画「Forbes JAPAN 30 UNDER 30」、7年目となる今年は30人を選出。これからの未来をつくる彼ら・彼女らが描く「希望」と「新しい未来」へ、ようこそ!
【30 UNDER 30 特集号が現在発売中 / 受賞者一覧を特設サイトにて公開中

文=堤 美佳子 写真=帆足宗洋(AVGVST) スタイリング=鈴木 肇 ヘアメイク=MIKAMI YASUHIRO retouching by Hiroshi Kitaoka (GARABATO)

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