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2024.08.26 09:30

女性の「悩み」を見える化 無視できない経営課題に:アンナ・クレシェンコ

アンナ・クレシェンコ(27)|Flora 代表取締役CEO

アンナ・クレシェンコ(27)|Flora 代表取締役CEO

8月23日発売のForbesJAPAN10月号では、次世代を担う「30才未満の30人」を選出する「30 UNDER 30」を発表した。本記事では、30人の受賞者のなかから、SCIENCE & TECHNOLOGY & SOCIAL部門に選出されたアンナ・クレシェンコを紹介する。


ウクライナ出身のアンナ・クレシェンコは、京都大学在学中の2020年にフェムテック事業を手がける「Flora」を創業した。祖国に住む従姉妹が妊娠合併症を発症し、第2子が出産後に亡くなったショックから、婦人科領域に関心をもった。一度目を向けてみると、多くの女性が婦人科系の病気にかかっているにもかかわらず、IT技術を使ったソリューションが少ないことに気がついた。

同社が提供するサービスは、女性の生理や妊活などの管理をサポートする個人向けアプリ「Moonly」と、女性が働きやすい環境づくりを支援する法人向けの「flora biz」の2つ。現在、前者はユーザー10万人、後者は導入企業60社を突破した。共通するのは、データを蓄積してAIで解析し、個々人や各企業に合った解決策や予防策を提案することだ。

23年には豊田通商と資本業務提携を締結し、トヨタグループの日本とベトナムの工場で実証実験を実施。生理痛やPMSによるパフォーマンス低下は日本では最大3割、ベトナムでは最大7割に上ることがわかった。「個人のセンシティブな領域として触れてこなかった企業も、損失が数字で明確になれば経営課題として無視できなくなる」。そこから、Floraの伴走支援が始まる。

ベトナムへの進出を皮切りに、まずはアジア圏へのサービス展開を予定。「世界中の人の人生を、少しだけ良くするものをつくっていきたい」。その夢はいつしか祖国ウクライナにも届くにちがいない。


アンナ・クレシェンコ◎1996年、ウクライナ生まれ。16歳でウクライナ代表として空手の世界大会に出場し、当時の最年少記録を樹立。国立オデッサ大学卒業後、2017年に日本に留学。20年にFlora創業。22年、京都府総合計画策定検討委員会の委員に就任。

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文=三ツ井香菜 写真=帆足宗洋(AVGVST) スタイリング=井藤成一 ヘアメイク=MIKAMI YASUHIRO retouching by Hiroshi Kitaoka (GARABATO)

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