目標はアジア系女性初のF1ドライバー。3歳からカートに乗り、レーサーとして活動してきた野田樹潤(Juju)のモットーは「負けても負けても諦めない」。
史上最年少の9歳でフォーミュラ4デビューを飾ったJujuだが、幼いころはレースに負けると周囲にも手がつけられないほどに泣くことがあった。そんなときに元F1レーサーの父、英樹は「世界チャンピオンでも負けることはある。スポーツをしていれば勝つことよりも負けることのほうが多い。悪いのは負けではなく、そこで諦めて成長のチャンスを逃すことだ」と諭した。これが今も胸に刻まれている。
2023年はフランスで行われたF3相当のユーロフォーミュラ・オープンシリーズで女性初の優勝。イタリアの「ZINOX F2000 Formula Trophy」では女性初の年間チャンピオンを獲得した。24年からは、国内最高カテゴリーのスーパーフォーミュラに最年少かつ日本女性として初の参戦。チーム体制はもちろん、使用するマシンの最高速度、サイズ、重量などすべてが大きく変わった。今シーズンはその変化への対応がメインテーマだ。
父や現役のレーサーたち全員に敬意をもっているというJuju。一方で、ライバルや憧れの存在はいないという。
「F1レーサーへの道は自分との戦いだと思っています。日々の成長がいちばん重要なので、誰かを目指したり、超えたりということではなく今の自分を超えて、成長し続けたい」
のだ・じゅじゅ◎2006年生まれ。5歳で30cc/40ccダブルチャンピオン、9歳でFIA-F4の世界最年少デビュー。11歳、国際クラスFIA-F4マシンで「U-17大会」出場。24年に最年少&日本女性初の「SUPER FORMULA」デビューを果たす。