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2024.08.01 13:30

「道は後ろにある」。経験値を自信につなげて

植村弘子 |ユーグレナ 取締役代表執行役員Co-CEO兼COO

藻の一種であるミドリムシの食用屋外大量培養に世界で初めて成功し、食品からバイオ燃料まで多様な事業を展開。Z世代をCFO(最高未来責任者)に起用するなど組織運営でも話題を呼んできた。そのユーグレナが今年1月、Co-CEO2名を中心とする新執行体制を発足。CEOのひとりに抜てきされたのが、2023年に同社に加わった植村弘子だ。前職の一休ではCHROを務め、M&A時には混乱する仲間たちに「今より上へ行こう」と発破をかけ、会社を大きく成長させた。植村のこの熱量を、今のユーグレナが必要としている。

東大発ベンチャーとしてスタートし、今やグループ企業10社以上、総従業員数1000人超。植村が率先するのは、現場行脚だ。「数字の向こう側にいるお客がどう思っているのか」を知るために、研究現場や石垣島の工場にも足を運び、観察し、課題を洗い出す。3カ月じっくり向き合うと自ずと解決策が見えてくることは、一休時代に学んだ。「すべて過去の経験が教えてくれる。道は後ろにあるんです」。

就任から半年、「化学変化が起きている」とは社内の声だ。植村の熱量が伝播し、社内中を巻き込んだ大きな渦となっている。その渦の中心で全力疾走する植村の背中を押す言葉がある。「汗かいて、泥食って、血を流した分だけ栄光は近づいてくる」。ラグビー界のレジェンド、吉田義人のセリフだ。12歳のときに衝撃を受けて以来、座右の銘にしている。


うえむら・ひろこ◎2001年、新卒でエスビー食品に入社。06年、一休に入社し、カスタマーサービス部部長、執行役員CHRO 管理本部長を歴任。23年4月、ユーグレナ入社。6月より執行役員CSXO(最高ステークホルダー責任者)、24年1月より現職。

文=中沢弘子 撮影=帆足宗洋(AVGVST)

この記事は 「Forbes JAPAN 2024年8月号」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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