音楽

2024.09.11 11:00

LANAの時代がやってきた! 20歳の歌姫の「全部をさらけだす」の真意

本当にこういうことがやりたかったのだろうか? 思い悩むLANAに、音楽を勧めたのは兄LEXだった。少しずつ曲をつくり始め、ストリーミングサービスに公開したところ、同世代から反応が届くことがうれしくて、どんどん夢中になっていった。彼女の天性の才能はすぐさま多くのリスナーを生み、破竹の勢いでファンコミュニティが形成されていった。

音楽活動が忙しくなるにつれて、湘南から引っ越さざるをえなくなった彼女は今、母親と姉と犬と一緒に、都内の一軒家で暮らしている。

「お母さんに対してはたくさん迷惑をかけた分、親孝行しなきゃと思ってます。夢は、湘南に家族みんなで住める大きな一軒家を建てること」

LANAは、頻繁に母親の話をする。未だかつてないほどに、親子関係は良好で、密にコミュニケーションをとっている。それだけではない──LANAチームと母親との関係も近く、皆で同じ釜の飯を食べる仲であり、一緒に遊びに行くことも多々あるという。本人と家族とスタッフが皆ひとつのチームとなり、日々の苦楽をともにしているそうだ。LANAは「このチームが強いのは、全部をさらけだしてるからなんですよ」と語るが、はたからこのチームを見ていると、それがひしひしと伝わってくる。誰と話していても、皆が本音でそのままをしゃべり、笑い、いつだって真摯に意見を交わしているのだ。

「喧嘩もたくさんしますよ。みんなが言いたいことを言うから。でも、険悪なムードになることはない。良いものをつくっていきたいし、そのために妥協しないだけ。それに、ばかなこともする。夜にちょっと時間ができたら、私すぐにスタッフに『今から遊びに行こ!』って電話して呼び出しちゃうし、お母さんもお姉ちゃんも一緒にクラブに行ってみんなで踊ったりするし(笑)」

「仕事が遊び、遊びが仕事」というのはLANAのヒット曲「BASH BASH」からミーム化した人気のフレーズだが、LANAのチームを見ていると、まさにそういった「仕事」と「遊び」の境目がなくなったかのような雰囲気が感じられる。遊びも仕事も皆で全力を投じてやっていくことによって、その楽しそうな空気にファンが群がる──そういったポジティブなサイクルが回っているように見えるのだ。
ソロ・ツアーの「Almost 20 Tour」「Already 20 Live」では、同世代の女性を中心とした熱狂的なファンたちが集った。「ラナチーズ」という言葉を体現している光景だ。

ソロ・ツアーの「Almost 20 Tour」「Already 20 Live」では、同世代の女性を中心とした熱狂的なファンたちが集った。「ラナチーズ」という言葉を体現している光景だ。


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文=つやちゃん 写真=帆足宗洋(AVGVST) レタッチ=北岡弘至(GARABATO) スタイリング=菅沼愛 ヘアメイク=Mari Enda

この記事は 「Forbes JAPAN 2024年10月号」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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