SearchGPTは現在、約1万人と報じられる一部のユーザーとパブリッシャー向けの、「プロトタイプ」として公開されている。これを受け、グーグルの親会社のアルファベットの株価は25日に3%下落し、過去52週間の最安値の167.32ドルに沈んだ。
SearchGPTは、ウェブサイトの情報を要約し、引用リンク付きの短い説明を表示する。ユーザーは、追加の質問をしたり、関連するリンクをサイドバーで確認したりできる。
例えば、ノースカロライナ州ブーンで8月に開催される音楽フェスティバルを検索すると、それぞれのイベントと短い説明が表示され、各イベントのウェブサイトへのリンクが続く。サイドバーにはスケジュールやチケット販売などの関連するサイトへのリンクが表示される。
OpenAIによると、パブリッシャーは、この検索エンジンの検索結果で自社の情報がどのように表示されるかを管理可能で、コンテンツがOpenAIのAIモデルのトレーニングに使用されることを拒否した場合でも、検索結果に表示させられるという。
OpenAIは、将来的にこれらの機能のうちの「最良のもの」をChatGPTに統合する計画だが、どの機能が含まれるかを具体的には明らかにしていない。また、テスト期間がどれくらい続くか、SearchGPTがいつより広く利用可能になるかを明かしていない。
ブルームバーグは5月に、事情に詳しい人物の話として、OpenAIがグーグルやAI検索スタートアップのPerplexity(パープレキシティ)と競争するために、ChatGPT向けの新たな検索機能を開発していると報じていた。
その当時、OpenAIは「積極的にグーグルの従業員を引き抜こうとしている」とニュースサイトのThe Vergeは伝えていた。OpenAIは、グーグルが5月の年次開発者会議でGemini(ジェミニ)のAIプロダクトの計画を発表する以前から、新たな検索エンジンを計画していたと報じられている。
OpenAIはここ1年でさまざまなパブリッシャーと提携しており、そこにはAP通信やフィナンシャル・タイムズ、ウォール・ストリート・ジャーナルの親会社であるニューズ・コープ、ポリティコなどが含まれる。同社は、この提携により各社のコンテンツを使用してユーザーの質問に答えたり、AIモデルをトレーニングしたりしている。
ニューヨーク・タイムズ(NYT)は昨年12月、同社の数百万件の著作権記事がOpenAIとマイクロソフトのAIモデルのトレーニングに「違法に使用された」とする訴訟を起こした。NYTは、OpenAIとマイクロソフトのテクノロジーが、同社のコンテンツを逐語的に再現したり、要約したり、表現スタイルを模倣したりしていると主張している。
OpenAIは訴訟の一部の取り下げを求めており、同社のユーザーがChatGPTなどのプロダクトをNYTのコンテンツの代替物として使用していないことを示唆した。この訴訟は現在も続いている。
(forbes.com 原文)