宇宙

2024.07.27 15:00

火星で古代の「生命の存在」を示唆する岩石発見、しかしさらなる研究が必要 NASA

2023年初頭に撮影されたパーサヴィアランスローバーの自撮り写真(NASA)

ローバーは米国時間7月21日、チェヤヴァフォールズから鉛筆の芯ほどの太さの部分を掘り出し、サンプルとしてチューブに保管した。これはローバーが採取した22番目のコアサンプルとなる。NASAはパーサヴィアランスのサンプルの一部を地球に持ち帰る野心的な後続するミッションの送り出しを望んでいたが、この構想は深刻な予算問題に直面している。NASAはこのミッションの再考を迫られているのだ。
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NASAのパーサヴィアランスローバーが火星の「チェヤヴァフォールズ」岩からサンプルを採取した。ドリルの穴は左側にある。

NASAの火星探索車パーサヴィアランスが火星の「チェヤヴァフォールズ」岩からサンプルを採取。ドリルの穴は左側にある(NASA)

ローバーはネレトバ・バリスと呼ばれる古い河川の谷に沿って「チェヤヴァフォールズ」を発見した。ジェゼロクレーターは現在、乾燥して埃っぽい場所だが、NASAはこの地域に水が存在していた遠い過去の歴史を明らかにした。これがジェゼロを、パーサヴィアランスが赤い惑星の遠い過去の微生物の痕跡を探す上で、最適な地域とした理由である。この興味深い岩は水との相互作用の証拠を示しており、これは私たちが知る生命にとって、重要な要素のもう1つである。

もしチェヤヴァフォールズが火星の古代生命の証拠を含んでいたなら、宇宙に対する私たちの見方は変わるだろう。それは地球がこの太陽系で生命を育む唯一の惑星ではなかったことを意味する。

火星探索車は非常に高度な移動実験室だが、限界がある。NASAがチェヤヴァフォールズを地球に持ち帰る方法を見つけない限り、この岩は秘密を明かすことはないだろう。「私たちはその岩にレーザーやX線を照射し、想像しうるあらゆる角度から昼夜を問わず画像を撮影しました」とファーリーは述べた。「科学的には、パーサヴィアランスを使ってできることはもう残っていません」。これは、サンプル回収ミッションの資金調達のための重要な根拠となる可能性がある。
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forbes.com 原文

翻訳=酒匂寛

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