五輪級のサイバーセキュリティリスクを緩和するには
オリンピックは、「政府首脳や大企業幹部、セレブリティ、途方もない総資産額を持つビリオネアたちが集まる唯一無二の機会」であると指摘するのは、元FBI特別捜査官でサイバーリスク分析の専門家であり、Matunuck Group(マチュナック・グループ)のマネージングパートナーも務めるジェイソン・ホッグだ。オリンピックのこのような特性を考えれば意外ではないが、開催中には、政府および企業のスパイ活動が活発に行われ、政治や経済に広範な影響が及ぶおそれがあると、ホッグは指摘する。要するにオリンピックは、サイバーセキュリティ専門家にとって、オリンピック並みに大きな問題であることを意味する。ただし朗報は、確実に脅威を緩和できるよう、専門家たちが出場選手たちに負けないほど厳しい訓練を積んでいることだ。
「官民の組織のドリームチームが結集し、フランス国家情報システムセキュリティ庁や国際オリンピック委員会(IOC)、パリ2024組織委員会と提携しつつ、堅牢なサイバーセキュリティ・インフラの構築にあたっている」と、ホッグは述べた。
具体的な対策としては、ネットワーク・アーキテクチャのセグメント化のほか、攻撃に対して迅速対応するためのインシデント対応計画とシナリオ別の演習、脅威インテリジェンスを共有するプログラムの確立などが挙げられる。
ユーザーの意識啓発・教育も重要であり、オリンピックのサイバーセキュリティに懸念を抱く人が誰でも利用できるオンライン情報ハブが開設されている。
(forbes.com 原文)