“スティッキー”Sorato17歳!
アマプラも、ネトフリも。動画サブスクリプションサービスで重視される指標の一つが「スティッキネス」。英語由来の単語で、”stickiness”というつづりだ。この単語は”sticky”(ベトベトする、ねばねばする、ひっついている、粘着性のある)の名詞形で、ビジネスにおいてはマーケティング用語の一つ。視聴者や顧客が商品やサービスに惹きつけられている状態を指す。ネットフリックスでは、ある番組を何分以上顧客が見続けたかどうかを(その番組の最後まで見なかった場合でも)スティッキネスという指標に設定し、ビジネス上の決定を行うための重要なデータとして定期的にトラックしている。また、外資系企業で顧客離れを防ぐ主要な製品やサービスを”スティッキー・フィーチャーズ(Sticky features)”と呼ぶ場合もある。
さて、そんな英語のマーケティング用語をあだ名としてもつ、今週末に開幕するパリ五輪出場選手の一人が、「スティッキーSorato」こと、スポーツクライミングの安楽宙斗(17)だ。
スポーツクライミングのうち複合種目のボルダー&リードは、自分側にせり出している(Overhanging)部分も大いにある壁の出っ張りに手をかけて、どうにか落ちないように登るスポーツだ。街中のボルダリングジムで試してみても、登りきれず途中落下することは避けられないし、世界水準になればなおさらで、世界選手権などではルートセッターは決勝進出選手が1人か2人ほどしか一番上まで到達できないような難易度でルートを組むこともあるという。
そんな「落ちることが必至」のスポーツクライミングで、「(壁に)ひっついて離れない」「へばりついている」ようにすら見えることから、スポーツクライミングの解説者であるイギリス人、マット・グルーム氏は、「スティッキーSorato」というあだ名を、安楽選手に対して、中継中に比較的頻繁に使っている。