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2024.07.26 18:15

ひっつけ17歳! 愛称はネトフリの指標名「stickiness」、安楽宙斗パリ五輪へ

© Dimitris Tosidis/IFSC

「ワールドカップ史上初」の快挙も

2022年までユースで戦っていた安楽選手が、通常の大会に参加し始めたのは2023年、16歳の年。1年を通じて「右肩上がり」に一気に躍進し、クライミング界の注目を日本国内のみならず世界から集めている。
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オリンピックにおけるスポーツクライミングはスピードという種目とボルダー&リード複合種目に分かれる。安楽選手はボルダー&リード複合種目でパリ五輪に出場する。ボルダーとは、「課題」と呼ばれる4つの異なる壁を制限時間内に完登することを目指す種目​​で、リードは長い距離を登る種目。ボルダー&リードでは、双方の点数の合計で順位が競われる。スポーツクライミングのワールドカップでは、ボルダーとリードの両方が行われることもあるし、片方だけが実施される場合もある。

同年4月に東京で行われたボルダーワールドカップ八王子では、ワールドカップ初出場ながらボルダー5位と結果を残し、その後アメリカ・ソルトレイクシティで行われたワールドカップのボルダーで2位、オーストリア・インスブルックではボルダーで初優勝、リードでも4位に入った。その後フランス・ブリアンソンで7月に行われたワールドカップでリード優勝。9月にスロベニア・コペルのワールドカップ、同月に中国・呉江​​で行われたワールドカップでもリードで優勝した。

インスブルック大会の後には、ボルダー年間王者が確定。さらに、コペル大会終了後、リードワールドカップでの年間ランキング1位が確定。ボルダー・リードともに年間優勝となり 、2種目の年間王者というワールドカップ史上初の快挙を成し遂げている。
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© Jan Virt/IFSC

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同年8月、スイスで行われた世界選手権は上位3位までがパリオリンピックの切符を手にすることができる大事な一戦だったが、結果は惜しくも4位で代表内定を逃した。しかしその後11月にインドネシア・ジャカルタで行われたアジア予選の男子複合で安楽選手は優勝し、パリオリンピック出場権を獲得した​​。

©️ Lena Drapella/IFSC

©️ Lena Drapella/IFSC

2024年に入って行われたワールドカップでも、5月にアメリカ・ソルトレイクシティ大会ではボルダーで優勝するなど、パリオリンピック代表内定後も安楽選手の活躍はとどまることを知らない。

© Jan Virt/IFSC

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文=高以良潤子 編集=石井節子

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