北米

2024.07.25 10:30

トランプ暗殺未遂事件はウクライナ絡み? ロシアやイランなどが偽情報を拡散か

Anna Moneymaker/Getty Images

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7月13日に米国で発生したドナルド・トランプ前大統領の暗殺未遂事件に関して、外国政府の支援を受けた組織が米国内で出てきた陰謀説を拡散し、また独自のシナリオを押し進めながら偽情報を盛んに広めている。

ジャーマン・マーシャル基金の超党派グループ「アライアンス・フォー・セキュアリング・デモクラシー(民主主義を守るための同盟)」の分析によると、ほとんどの偽情報は米国内で出てきたものだが、ロシアや中国、イランはさまざまなSNSを使って自分たちの思惑どおりに事を進めようと躍起になっている。

ロシア政府と繋がっている複数のSNSアカウントは、トランプ暗殺未遂は「ウクライナ絡み」かもしれないと指摘し、ウクライナでの戦争に対するトランプの政策への反発が暗殺の動機だったと示唆した。

「このシナリオはロシア国営メディアの司会者が取り上げて広まった。米国の『ディープステート(闇の政府)』が暗殺未遂に関与したと言わないまでも、加担しているとほのめかした」と研究者らは指摘した。

「ロシアの宣伝者らはまた、暗殺未遂を米国の民主主義の崩壊と結びつけ、民主党が政治的暴力を煽るような環境を作り出していると非難した」とも語った。

ロシア国営メディアのRT(旧ロシア・トゥデイ)、タス、スプートニクは、同国のウラジーミル・プーチン大統領と親しいウクライナの政治家ビクトル・メドべチュクがトランプに送った手紙を入手したと主張している。メドべチュクはチェコでロシアのプロパガンダを広めたとして、欧州連合(EU)から今年制裁を科された。

この手紙によると、暗殺未遂はトランプがウクライナでの戦争を終結させると約束したためなのだという。この根拠のない主張はロシア国営メディアが日本語やアラビア語、ペルシャ語、セルビア語、ロシア語で広めた。

ロシア政府とつながりのあるSNSアカウントはまた、暗殺未遂に関してはリベラル系のメディアやエリートたちに非があるとの主張を展開。ロシア大統領府のドミトリー・ペスコフ報道官は、バイデン政権が「暴力の雰囲気」を作り出していると非難した。
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翻訳=溝口慈子

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