海外

2024.07.29 15:00

ロバート・ダウニー・Jr.が共同創業のコーヒーブランドが米国で急成長中

Arturo Holmes/Getty Images

Arturo Holmes/Getty Images

米コーヒーブランドのHappy(ハッピー)は、Method(メソッド)やEos(エオス)、Hello Products(ハロー・プロダクト)などのベンチャーを成功させたことで知られる起業家クレイグ・デュビツキーと、アカデミー賞受賞歴のある俳優ロバート・ダウニー・Jr.によって今年初めに共同創業された。同社のコーヒーで1日を始めてもらうことで、人々が日常の体験を再発見し、気分を向上させることを使命としている。
advertisement

連続起業家のデュビツキーがコーヒーを買おうと店を訪れたとき、ひらめいたという。「通路を歩いていると、魅力的に映らないブランドをたくさん目にした。それらはかなり定着しているお馴染みのものか、あからさまに攻撃的で男性的なものだった。何か違うものを提供したいという願望から生まれたのがハッピーだ」と、デュビツキーは事の始まりを明らかにした。そして「コーヒーは人々を幸せにする。であれば、幸せという感情を持ってコーヒーを作ったらどうなるのか」と続けた。

消費者向けのパッケージ商品用に非の打ちどころのないユニークで愛されるパッケージの制作を手がけてきたデュビツキーは、またしても際立って美しいパッケージ商品を生み出した。素晴らしいのはパッケージだけではない。コーヒーを調合したのは、世界に300人しかいないQグレーダー第1期生の1人だ。Qグレーダーは「コーヒーの生豆の官能評価に優れている専門家」だ。Qグレーダーの資格を持っている人は極めて少なく、ハッピーはQグレーダーのおかげでコーヒー好きをうならせる商品を作ることができた。

創業からわずか5カ月でハッピーは目覚ましい成長を遂げ、取り扱い箇所は3万を超えた。この驚くべき勢いは同社が大規模小売店への事業拡大を進める間も続きそうだ。9月までに取り扱い箇所は5万を突破し、競争の激しいコーヒー市場において重要なプレーヤーとなると同社は予想している。事業拡大には、ウォルマートやCVS、ターゲット、スプラウト、アマゾン、クローガーといった大手小売での取り扱いも含まれ、商品の入手しやすさと訴求力を高める。
advertisement

ハッピーは粉、豆、インスタント、便利なカプセルタイプのポッド、すぐに飲める水出しアイスコーヒーやラテなど、さまざまなコーヒーの商品を販売しており、全商品が独特の陽気なパッケージに入っている。

精神障害者の支援団体との提携

商品のパッケージには、全米精神障害者家族連合会(NAMI)のページに遷移するQRコードが掲載されている。この提携は、デュビツキーとダウニー・Jr.の会話に端を発している。2人はおいしいコーヒーを飲んでも、誰もが幸せと感じるわけではないと気づいた。そして、何かできることはないだろうか、と2人は考えた。

NAMIとの提携は、起業家精神と慈善活動の関係を再構築するものだ。NAMIはハッピーの株式を保有しており、これにより精神を患う人とその家族の暮らしを向上させるという使命にこれまで以上に取り組むことができるようになった。

NAMIの最高経営責任者(CEO)のダニエル・H・ギリソン・Jr.は、ハッピーとの提携の重要性を次のように強調した。「NAMIの使命は、精神疾患の影響を受けている米国の何百万人もの人の暮らしを良くすることだ。よく耳にするのは『もっと早くNAMIのことを知っていれば』という言葉だ。このことは、ハッピーとの提携の意義の大きさを浮き彫りにしている。提携を通じて、多くの人がNAMIと、NAMIが提供する重要なメンタルヘルスに関するリソースを初めて知り、解決への第一歩を踏み出す機会を得るはずだ。ハッピーとの提携は人を中心に据えており、NAMIはハッピーの拡大しつつあるコミュニティの一員となり、有意義な変化をもたらすために共に取り組めることに深く感謝している」
次ページ > 小売店との提携と今後の成長

翻訳=溝口慈子

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事