北米

2024.07.25 08:00

電動自転車と電動キックボードの事故が全米で急増、普及拡大で

もっとも、利用者の総数でみれば、人気が高まっているとはいえeモビリティよりも従来型の自転車やキックボードのほうが依然として圧倒的に多い。論文が分析対象とした2017~22年にeバイクの負傷者数は約4万6000人、eスクーターは約19万人だったのに対し、従来型の自転車は約250万人、キックボードは30万人超に上った。

負傷者の増加につながっている一方で、eバイクには健康上の利点も多い。eバイクに乗ることで運動量が増え、全体的な健康が改善するほか、不安、うつ、糖尿病、心臓病、各種がんなどの健康リスクが低減することがよく知られている。

また、eバイクは自動車よりも環境への影響が大幅に少なく、二酸化炭素や健康被害の原因になる大気汚染物質の排出量を削減できる。大気汚染は喘息、脳卒中、心臓病などの疾病に関連しているほか、気候変動を悪化させ、平均寿命を数カ月短くし、命にかかわる猛暑を招き、メンタルヘルスを損ない、将来のパンデミックを引き起こす恐れがあることが研究で示されている。

なお研究チームは今回の結果について、利用者の負傷率を過小評価している可能性がある点に留意を促している。けがをしても医療機関を受診しなかったり、分析対象とした救急医療データで捕捉できていない施設で手当てを受けたりした事例が考えられるからだ。また、eモビリティでの事故が従来型の交通事故と区別されずに医療データに登録されている可能性も指摘されている

forbes.com 原文

翻訳・編集=荻原藤緒

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