北米

2024.07.25 08:00

電動自転車と電動キックボードの事故が全米で急増、普及拡大で

eバイクやeスクーターの安全性を高めるには

事故が多く起きているのは、小型eモビリティも従来型の自転車やキックボードの場合も、圧倒的に都市部だ。事故件数が増加していることについて、研究チームは「これらの乗り物に対する人気の高まりを反映している可能性が高い」と述べている。また、シェアサービスやモビリティプラットフォームの急激な台頭により、都市部でeモビリティが手軽に利用しやすくなった点にも言及している。

研究チームは、オランダやイスラエルなど他国の状況とも相通じる今回の研究結果について、eバイクやeスクーターの利用者と、従来型の自転車やキックボードに乗る人との乗車行動における見過ごせない違いが浮き彫りになったと指摘。小型eモビリティ利用時の「安全性を改めて中心に据え」て、利用者がより安全に乗車できるようにするためには、法律、政策、教育、インフラなどさまざまな改革を行う必要があると強調した。

米国では小型eモビリティの利用が急増している。eバイクの販売台数だけでも2019~22年で3倍以上に増え、2023年末時点で市場規模は約26億ドル(約4020億円)相当と見積もられている

各国政府は、自動車による渋滞を緩和し、気候変動目標を達成するために、eモビリティの利用促進を図っている。しかし問題もあり、eモビリティのシェア・乗り捨てサービスの普及に伴って急速に変化する都市環境への適応に行政側は苦心している。eモビリティは従来型の自転車やキックボードより高速で、時速40キロメートル以上出るタイプもある。

充電施設や駐輪スタンドなど、eモビリティ向けインフラの確保は特に喫緊の問題だ。路上に放置されたeバイクやeスクーターに悩まされている都市は多く、従来型の自転車利用者とeバイク利用者との間で軋轢も生じている。規制面でも対応が遅れており、従来型の自転車やキックボードを対象とした現行の法律は時代遅れで、eモビリティを適切に管理できないのではないかと指摘する声が議員からも上がっている。
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翻訳・編集=荻原藤緒

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