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2024.07.24 12:00

スポティファイが「過去最高利益」で株価急騰、通年で黒字達成へ

Photo by AaronP/Bauer-Griffin/GC Images

音楽配信サービス大手スポティファイが米国時間7月23日に発表した第2四半期決算は、利益が過去最高を更新し、ストリーミング業界では珍しい「持続的な収益性」の達成が示唆された。これを受け、同社の株価は急騰した。

スポティファイの株価は23日の取引で一時14%急騰した。この上昇は、1日の上昇率としては2019年10月以降で最大であり、6年前にニューヨーク証券取引所に上場して以降で2番目の上昇率となった。終値は約330ドルで、約12%高で引けた。

スポティファイが23日に発表した有料会員数は2億4600万人で、アナリスト予測の2億4530万人を上回り、1株当たり利益の1.44ドルもアナリスト予測の1.14ドルを大きく上回った。売上高は41億ドル(約6393億円)と、予測の41億5000万ドル(約6460億円)にわずかに届かなかった。

特に目を引いたのは、第2四半期のフリーキャッシュフローが5億3200万ドル(約829億円)と、予測の3億6300万ドル(約565億円)を大きく上回り、前年同期の1100万ドル(約17億円)から4700%もの成長を遂げたことだ。

スポティファイは、年初からの2四半期で5億ドル(約779億円)以上の純利益を計上し、下半期にはさらに6億3000万ドル(約981億円)の純利益を見込んでいる。そのため、投資家の多くは同社が初の通年の黒字を達成すると予想している。これは、2022年の4億6700万ドル(約727億円)の赤字と2023年の5億7200万ドル(約891億円)の赤字からの劇的な転換と言える。

スポティファイの株価は、2022年末以降に330%上昇したが、2021年初頭につけた史上最高値の387ドルを約14%下回っている。月額サブスクリプションを主な収益源とするスポティファイは、世界最大級のエンタメ企業の一つであり、時価総額は約650億ドル(約10兆円)に達した。

同社は、ネットフリックスやDisney+などの動画ストリーミングサービスとは直接競合しないが、その株価はこれらの企業と類似した軌跡をたどり、2020年から2021年にかけて大きく上昇した後に、下落していた。

ネットフリックスとスポティファイを除くストリーミング各社は、大規模なユーザーベースを利益に変えることに苦戦している。パラマウントのダイレクト・トゥ・コンシューマーユニットは2022年の初頭以降の四半期ごとに2億ドル(約311億円)以上の損失を計上しており、Maxの親会社であるワーナー・ブラザース・ディスカバリーのストリーミング部門も、同期間に14億ドル(約2181億円)の累積損失を報告している。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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