アジア

2024.07.24 11:30

「韓国で6番目の富豪」のカカオ創業者が逮捕、株価吊り上げで

Shutterstock.com

Shutterstock.com

メッセージアプリのカカオトークで知られる韓国のテクノロジー大手、カカオの創業者であるキム・ボムス(金範洙)が7月23日に逮捕された。カカオは昨年、公開買付けを通じて大手芸能事務所のSMエンターテインメントの株式を取得したが、キムはその過程で同社の株価を不正に吊り上げた疑いが持たれている。

キムが率いるカカオは昨年、人気音楽グループのBTS(防弾少年団)が所属する芸能事務所のHYBE(ハイブ)との激しい競争の末、SMエンターテインメントの株式を取得し、経営支配権を得た。金融当局は、カカオと傘下のカカオエンターテインメントの複数の幹部が、ハイブによる株の取得を妨害するために、2400億ウォン(約270億円)相当のSMエンターテインメント株を購入し、株価を吊り上げた疑いで調査を行っていた。

カカオの株価は23日に約5.4%下落し、3万8850ウォンに沈んだ。

カカオとその子会社のカカオエンターテインメントは、SMエンターテインメントの株式の40.28%を保有している。カカオは、20.97%を保有する筆頭株主で、カカオエンターテインメントは19.31%を保有している。ハイブも12.58%を保有している。

キムは、フォーブスが4月に発表した韓国の富豪ランキングで6位にランクインし、当時の保有資産は45億ドル(約7017億円)とされたが、現在の資産は33億ドル(約5140億円)に減少している。

現在58歳のキムは、貧困家庭で育ち、ソウル大学を卒業後にサムスンのITサービスグループで5年間働いた後、1998年に韓国初のオンラインゲームポータルを運営するハンゲームを設立した。彼が2010年に設立したカカオは、メッセージングアプリとして始動し、決済やフードデリバリー、タクシーの配車にも対応するスーパーアプリへと進化した。2021年に設立されたカカオエンターテインメントは、ウェブトゥーン(デジタル漫画)事業などで知られ、韓国最大の音楽ストリーミングサービスであるMelon(メロン)を所有している。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事