私たちが予想する今期の売上高は、前年同期比約10%増の843億ドル(約13兆1852億円)で、EPS(1株当たりの純利益)は前年同期比約13%増の1.35ドルになると予想している。どちらの数字も、市場予想を若干上回る水準だ。
デバイス販売やサービス事業は好調
アップルのiPhone事業は今期、インドなどの新興市場に牽引され、小幅な成長を遂げる可能性がある。調査会社IDCの推計によると、第2四半期において、iPhoneがスマートフォン市場に占めるシェアはやや低下したものの、その出荷台数は前年同期比1.5%増の4520万台だった。さらに、アップルの製品構成も改善し、iPhoneの平均販売価格が上昇したことも同社にとっては追い風となる。しかし、アップルは最大市場の1つである中国で逆風にさらされており、台頭するファーウェイなどの競合に対抗するため、値引きに頼らざるを得ない状況だ。
Macに関しては、コロナ後の不振から需要が回復し、第3四半期にかけて好調に推移する可能性がある。IDCによると、Macの出荷台数は前年同期比で20.8%増加し、約3%の成長となったPC市場全体を上回った。
アップルのデジタルサービス事業も、AppStoreの売上増加やその他のサブスクリプションサービスの利用率向上により、好調に推移するものと思われる。2024年度第2四半期のサービス売上高は14%増の239億ドル(約3兆7382億円)であった。ここ数年、アップルの売上高総利益率は高価格帯を中心とした製品ラインナップとサービス事業の売上増加により改善しているが、この傾向は第3四半期でも続くと予想される。