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2024.07.24 10:00

【米国株ウォッチ】決算発表が近づくアップル、生成AIの登場で業績はどうなる?

Apple Intelligenceと名付けられたこの新しい生成AIは、現在のところハイエンドのデバイスにのみ提供される予定だ。これは、生成AIがデバイスにより高い処理能力を要求するからだと考えられている。Apple IntelligenceはM1以降のチップを搭載したデバイスでのみ動作するが、その要件を満たすiPhoneは、A17 Proチップを搭載したiPhone 15 ProとPro Maxのみだ。参考までに、Apple Intelligenceをサポートする最も安いiPadの価格は約600ドル(約9万4000円)で、iPhone Proでは1000ドル(約15万6000円)に跳ね上がる。

今後の製品発表により、Apple Intelligenceをサポートするデバイスの種類が増える可能性は非常に高いと思われるが、アップルのユーザー、特にiPhoneユーザーの大半は、Apple Intelligenceを利用するためにはデバイスを買い替える必要があると考えていいだろう。

株価パフォーマンス

AAPLは、2021年1月初旬につけた130ドル台から、7月22日現在の224ドル前後という水準まで、約72%という極めて力強い上昇を見せている。過去3年間におけるAAPLのリターンは、2021年に35%、2022年にマイナス26%、2023年に49%だった。一方、S&P500種株価指数のリターンは、2021年に27%、2022年にマイナス19%、2023年に24%であり、AAPLのパフォーマンスは2022年にS&P500を下回っている。

結論

私たちはAAPLの目標株価を、現在の市場価格より約12%低い202ドルとしている。現在の株価は2024年度の年間利益の約34倍で取引されており、これは過去の水準と比べると高い。しかし、来期以降のアップルの売上高は、新しい生成AIの導入と、より大幅なアップデートが見込まれる次期iPhoneの発売などによって成長が続くと考えられる。また、高価格帯を豊富に揃えた良好な製品ミックス、デジタルサービスからの売上の増加、部品コストの低下などにより、利益率も改善する可能性が高いだろう。

forbes.com原文

翻訳=江津拓哉

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