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2024.07.24 10:00

【米国株ウォッチ】決算発表が近づくアップル、生成AIの登場で業績はどうなる?

Getty Images

アップル(ティッカーシンボル:AAPL)は米国時間8月1日に2024年度第3四半期決算を発表する予定だ。今回の決算では、MacやiPhoneの好調な販売や、デジタルサービス事業の成長などに牽引され、業績が改善する可能性が高いと私たちは見ている。

私たちが予想する今期の売上高は、前年同期比約10%増の843億ドル(約13兆1852億円)で、EPS(1株当たりの純利益)は前年同期比約13%増の1.35ドルになると予想している。どちらの数字も、市場予想を若干上回る水準だ。

デバイス販売やサービス事業は好調

アップルのiPhone事業は今期、インドなどの新興市場に牽引され、小幅な成長を遂げる可能性がある。調査会社IDCの推計によると、第2四半期において、iPhoneがスマートフォン市場に占めるシェアはやや低下したものの、その出荷台数は前年同期比1.5%増の4520万台だった。さらに、アップルの製品構成も改善し、iPhoneの平均販売価格が上昇したことも同社にとっては追い風となる。

しかし、アップルは最大市場の1つである中国で逆風にさらされており、台頭するファーウェイなどの競合に対抗するため、値引きに頼らざるを得ない状況だ。

Macに関しては、コロナ後の不振から需要が回復し、第3四半期にかけて好調に推移する可能性がある。IDCによると、Macの出荷台数は前年同期比で20.8%増加し、約3%の成長となったPC市場全体を上回った。

アップルのデジタルサービス事業も、AppStoreの売上増加やその他のサブスクリプションサービスの利用率向上により、好調に推移するものと思われる。2024年度第2四半期のサービス売上高は14%増の239億ドル(約3兆7382億円)であった。ここ数年、アップルの売上高総利益率は高価格帯を中心とした製品ラインナップとサービス事業の売上増加により改善しているが、この傾向は第3四半期でも続くと予想される。

生成AIが買い替え需要を促進

こうした好調さに加え、音声アシスタントのSiriや画像処理ツールのアップグレードなどを含む、アップルが最近発表した生成AIが製品の買い替え需要を促進し始める可能性がある。
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翻訳=江津拓哉

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