それでは、コカ・コーラの業績を牽引しそうなトレンドにはどのようなものがあり、同社の株価はどのように推移しているのだろうか?
株価パフォーマンス
KOは、2021年1月初旬につけた55ドル台から、米国時間7月22日現在の65ドル前後の水準まで、約20%上昇した。過去3年間におけるKOのリターンは、2021年に8%、2022年に7%、2023年にマイナス7%だった。これに対し、S&P500種株価指数のリターンは、2021年に27%、2022年にマイナス19%、2023年に24%であり、KOのパフォーマンスは2021年と2023年にS&P500を下回っている。KOの株価は、妥当な水準に見える。私たちの目標株価も、現在の株価と同水準の65ドルだ。私たちはこの目標株価を、2024年度の予想年間EPSである2.85ドルに、KOの過去3年間の平均値である23倍のPER(株価収益率)を掛け合わせて算出した。
直近の決算動向
コカ・コーラの2024年第1四半期の売上高は113億ドル(約1兆7696億円)で、前年同期比3%増となった。為替やその他の会計上の影響などを除いたオーガニック収益は前年同期比11%増で、これは価格や製品ミックスの改善などによる約13%の収益押し上げ効果と、原料シロップなどの濃縮製品の販売が2%減少したことなどによる。営業利益率は前年同期の31.8%から0.6ポイント改善し、32.4%となった。調整後のEPSは前年同期比7%増の0.72ドルだった。全体的な売上高の伸びは、ラテンアメリカにおける旺盛な需要に牽引されたもので、同地域における販売数量は4%増、価格や製品ミックスの改善などによる収益押し上げ効果は22%増となった。コカ・コーラは今後も、発展途上地域でインフレが進行する中、価格や製品ミックスの改善から恩恵を受けると思われる。その好影響は、家庭内での消費と、家庭外での消費の両チャネルにおける成長を促進するだろう。またジュース、高付加価値な乳製品、植物性飲料など、一部の製品ラインの販売が好調であることから、全体的な販売量も回復すると予想される。
(forbes.com原文)