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2024.07.25 15:15

SaaSの先へ:日本におけるAI駆動型スタートアップの次なるフロンティア

そこでSaaS業界に新たな息吹を吹き込むのが、LLMであると私は考えています。同じ問題に対してまったく新たなアプローチからソリューションを生み出すLLMにより、今後も様々な機会が創出されることは確かです。一方で、私たちが投資してきたような既存のSaaS企業も、AIを導入してプロダクトを大幅に強化させていくでしょう。今後、これらの企業が成長を重ね、その中から各業界のSaaSスタートアップの「勝者」が決まる可能性が高いと言えます。そうすると、アーリーステージの投資の見極めがより難しくなり、レイターステージへの投資が好まれる傾向が強まるかもしれません。

以前にも書きましたが、今後スタートアップが活躍できる可能性があるのは、「AIネイティブ」なプロダクトにより従来のビジネスモデルを根底から覆すことができる分野でしょう。例えば、会計士や弁護士向けに業務支援ソフトウェアを提供するのではなく、会計士や弁護士の仕事そのものを代行するAIを、人がやるよりも大幅に安い価格で提供するのです。ここまでくると、もはやそれはSaaSではなく別物です―、実務者そのものとして仕事をする「フルスタック・スタートアップ」と呼ぶべきでしょう。

サブスクリプションサービスに関しては、多くの話題がB2Bに偏りがちです。しかし、NetflixやSpotifyのようにB2Cのサブスクリプションで大きな成功を収めた企業もあることを忘れてはいけません。AIが生み出すこの新しい波は、B2BとB2Cの両方にビジネスチャンスをもたらすと私は予想しています。今後、両方の分野についてもっと詳しい話が聞けることを楽しみにしています。特に今、AIの時代は胎動期にあります。どのようなプレイヤーが次世代の大手企業になるかはまだ明らかではありません。しかし、その未来を想像し、構築し、そして投資するのに間違いなくエキサイティングな時期であることは確かでしょう。

文=James Riney

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