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2024.07.25 15:15

SaaSの先へ:日本におけるAI駆動型スタートアップの次なるフロンティア

最近のAIの台頭を除けば、現在、日本で最も注目を集めているスタートアップカテゴリーはおそらく「SaaS」でしょう。多くのファンドが今、B2B SaaSへの投資に注力しています。そして、強力なチームを持ち、MBA取得者なら誰もが納得するほど有望なビジネスチャンスを追求しているスタートアップを巡り、競争が激化しているのです。SaaSがなぜ日本でこれほど注目されているかというと、プレイブック(戦略やノウハウ)が比較的シンプルで、主要な指標がすでに確立されている点が大きいでしょう。かつてデミング博士が、後に「総合的品質管理(TQM)」と呼ばれる品質管理の原則を日本に持ち込み、そこから日本が製造業の強国へと躍進したように、日本は確立されたプレイブックに基づいて発展させることが非常に得意なのです。

以前からこのように活気があったわけではありません。実際、2016年に私が参加したカンファレンスでは、「有望な機会はすべて取り尽くされてしまったようだ」とVCたちがパネルディスカッションで嘆いていたのを覚えています。ブロックチェーンやライブコマースならまだ希望があるなどと話していましたが、SaaSについては一言も触れていませんでした。一方で、当時のCoral Capitalは、SmartHRの持分をできる限り増やそうと静かに投資を進めていました。同社は、今ではここ10年で最も重要な日本のSaaS企業の1つとして注目されています。

CoralはほかにもカケハシカミナシhacomonoprimeNumberdiniimovなど、多くのSaaS企業に投資してきましたが、確かに1000億円超の企業価値に到達することが期待できる機会は、近年ますます少なくなってきています。その限られた機会を巡る投資家間の競争が激化し、評価額をつり上げているのが現状です。幸い、Coralはタイミング良く上記の企業に投資できたため、投資額に対して大きなリターンを見込んでいます。しかし、今後はどうでしょうか。これほど多くの投資家がSaaSに注目している中で、新たな世代のSaaS企業からも同じようなリターンを得ることはできるのでしょうか。
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文=James Riney

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