CDCによると、28人の入院患者は5月29日から7月5日までの間に店頭でスライスされたハムやサラミなどの加工肉食品を通じて、リステリア菌に感染した可能性が高いという。2人の死者はそれぞれ、イリノイ州とニュージャージー州で亡くなっていた。CDCが入院患者のうちの18人に聞き取り調査を行ったところ、16人がスライスされた加工肉を食べていた。
実際の感染者数は、28人を上回る可能性が高いとCDCは述べている。
リステリア菌は、デリミートだけでなくチーズや肉を使用したスプレッド(パンやクラッカーに塗る食品)や無殺菌の乳製品、スモークした魚などを通じて広まる可能性がある。リステリア菌による食中毒の症状としては、下痢や発熱、筋肉痛、平衡感覚の喪失、首のこわばり、嘔吐、けいれんなどが含まれるが、これらの症状は感染の初期には必ずしも現れない。
米食品医薬品局(FDA)によると、米国のリステリア菌による食中毒の件数は年間1600件と推定され、約260人が死亡している。また、患者の95%が入院を必要とするとされる。特に注意が必要なのは65歳以上の高齢者や新生児、妊婦などで、妊娠中の女性は、他の人よりも10倍感染しやすいという。
妊婦がリステリア菌に感染した場合、流産や死産、早産、新生児の病気や死亡を引き起こす可能性があるとCDCは述べている。同局は、リステリア菌による食中毒を避けるために、スライスされた加工肉を、食べる前に加熱することを推奨している。
2月にはカリフォルニア州に拠点を置く食品メーカーの製品に関連するリステリア菌の集団食中毒が発生し、コストコやウォルマート、ホールフーズなど複数の食料品チェーンが約60の乳製品をリコールした。
CDCによれば、この集団食中毒では23人が入院し2人が亡くなったが、実際の感染者数はもっと多かったと推定されている。
(forbes.com 原文)