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経営・戦略

2024.07.23 17:45

やっかいなカスタマハラスメント、被害者が感じた企業の対策とは

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顧客が店員や相談窓口などに対して暴言を吐いたり長々と苦情を連ねたりするカスタマーハラスメント、いわゆるカスハラが話題になっている。なぜそんな傲慢な人間が増えてしまったのかを考えるより、心身に実害を被っている担当者を思えば、防衛策を講じるのが先決だ。カスハラ経験者は、電話口のカスハラを防止する有効な手段を知っていた。

ビジネス電話の効率化を推進するトビラシステムズは、25歳から60歳の男女で、過去3年以内に電話によるカスハラを受けたことのある729人を対象にアンケート調査を行った。カスハラの内容は、もっとも多かったのが暴言。続いて30分以上の通話、毎日、または1日に何度もかかってくる「リピート型」クレーム、威嚇や脅迫などとなっている。また、言ってもいないことを「言った」と言い張るトラブルも多いという。

カスハラは心身に応える。多くの体験者が不満や不安を感じ、仕事への意欲が減退し、恐怖すら感じるようになる。なかには、不眠になったり、会社を辞めたり、通院や服薬が必要になった人もいる。それにも関わらず、カスハラ対策が実施されていた職場は4割弱。実施されない理由としては、対応できる部署がない、企業が対策の必要性を感じていない、人手が足りない、コストがかかるといったものだ。

さらに、勤務先にカスハラ対策を提案して改善されたのは1割にも満たない。注目すべきは「提案したことはない」という7割近い人たちだ。諦めの境地だと考えると、企業側の問題意識の低さ、事態の深刻さが伝わってくる。
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文 = 金井哲夫

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