ハリスの大統領候補指名、手続きは?
民主党予備選で勝利したバイデンは、8月19~22日に開かれる民主党全国大会で大統領候補指名を受ける手はずになっていた。党大会で投票する予定の代議員約4700人のうち、3800人以上がバイデンに投票すると約束していた。公共放送PBSによると、特定の候補者が自分の票を他候補に譲ることを認める民主党規則はないが、バイデンの支持表明はおそらく力を発揮するだろう。十分な数の代議員が足並みを揃え、ハリスを新たな指名候補に選ぶ可能性が高い。ポリティコは、すでに21日中に数十人の現職・元代議員がハリスを支持する書簡に署名したと報じている。
党大会がどういった展開になるかは、まだ見通せない。一部議員からは、代議員が誰にでも投票できる広く開かれた候補指名プロセスを希望する声が上がっている。また、大会前に候補者を代議員に紹介するため、討論会や公開イベント、有権者との対話型集会などを開いてミニ予備選といえる手順を踏む案も浮上していたが、バイデンの支持表明で実現の目は薄くなった。
このほか、代議員が地方や州の党幹部や選出議員の「仲介」に基づいて候補者を選ぶ案などもある。とはいえ、バイデンの支持は、党内の主要勢力がハリスの対抗馬を担ぎ出すのを阻止する可能性が高い。
バイデンの選挙資金はどうなる?
AP通信の報道によると、バイデンの選挙資金を本人以外に利用できるのはハリスだけだ。これは、バイデンの選挙資金口座が大統領候補と副大統領候補の連名で連邦選挙委員会に登録されているためである。献金は両候補へ行われた形になっており、ハリスはこの資金を自分の大統領選出馬に活用できる。21日に「Harris for President」へと名称変更された口座には、6月1日時点で9600万ドル(約150億円)の資金が集まっていた。ハリスの副大統領候補としては、カリフォルニア州知事のギャビン・ニューサム、ノースカロライナ州知事のロイ・クーパー、ケンタッキー州知事のアンディ・ベシア、ミシガン州知事のグレッチェン・ウィットマー、ペンシルベニア州知事のジョシュ・シャピロらの名前が取りざたされている。
トランプはハリスに献金したことも
トランプは21日、ハリスを倒すのはバイデンに勝つよりも簡単だと思うとCNNに語った。トランプ支持を表明している資産家のビル・アックマンは、ハリスは「副大統領としても失格だ」とX(旧ツイッター)に投稿。民主党内でもピーター・ウェルチ上院議員が、ハリスを次期大統領として支持する準備はできていないと表明した。なお、トランプはハリスがカリフォルニア州司法長官だった時期に2回、ハリスに個人献金を行っている。ワシントン・ポストが数年前に報じたところによれば、トランプが設立した不動産投資講座「トランプ大学」の詐欺疑惑をめぐってカリフォルニア州の学生たちから集団訴訟を起こされた際、2回にわたって計6000ドルを寄付した。トランプの娘イヴァンカも2014年に2000ドルを寄付している。州司法当局はハリスが長官職にある間、トランプ大学に対して何ら措置を取らなかった。
(forbes.com 原文)