「ナッシュビルで開催されるカンファレンスで、トランプが米国のビットコインの戦略備蓄の立ち上げを発表するのではないかという憶測がある」と、機関投資家向け分析会社、10x ResearchのCEOであるマーカス・ティーレンが20日の顧客宛てのメールで述べた。このメールでは、トランプの大統領任期中にビットコインが約1900%急上昇したことが強調されている。
「米国はビットコインを戦略備蓄に組み込むことで、ポートフォリオを多様化し、金や外貨などの従来の資産への依存を減らすことができる」とティーレンは述べている。彼によると、米国政府による金の備蓄は約6000億ドル(約95兆円)に達しているのに対し、ビットコインの備蓄は約150億ドル(約2兆4000億円)相当という。
「トランプは、すでにビットコインを米国のバランスシートに追加することを考えているかもしれない」と、ビットコインアナリストのラーク・デイビスも、20日のニュースレター『Wealth Mastery』で述べていた。
ロビー団体サトシ・アクションファンドのCEO、デニス・ポーターも、これに先立つ18日に匿名の情報源を引用して、トランプが「ナッシュビルで米国のビットコインの戦略備蓄を発表するだろう」とX(旧ツイッター)に投稿していた。
「人々は米国がビットコインの戦略備蓄を実行できるとは信じていないが、現時点でそれは避けられない」とポーターは付け加えた。
戦略備蓄は、緊急時の割り当てや債務を保証するための資産の備蓄を意味するもので、米国政府は1975年から戦略石油備蓄(SPR)を行っている。
「これらの噂が真実であるかもしれないという証拠がますます増えている」と、投資プラットフォームのBnkToTheFutureを創設したサイモン・ディクソンは、19日にXに投稿した。
これに対し、暗号資産分野のヘッジファンド、BlockTower Capitalの最高投資責任者であるアリ・ポールは、米国が今後4年以内にビットコインの戦略備蓄を開始する確率を10対1とし、トランプがそれを宣言する可能性が「高いと考えられる」と述べ、そのことが「中期的にビットコインを押し上げる強気な要因」になるだろうと述べている。また、ウォール街が「それが実際に起こると信じれば、ビットコインの価格は即座に急上昇する」と付け加えた。
トランプの資金集めイベントも
ブルームバーグは19日、トランプがビットコイン2024の開催に合わせ、トランプと直接対話可能な円卓会議の参加希望者を募集しており、その参加費として84万4600ドル(約1億3000万円)を提示したと報じた。また、これとは別に1人当たり6万ドル(約950万円)を払えばトランプとの写真撮影が可能という。ワシントン・ポストによれば、この資金調達イベントは同カンファレンスの主催者も務めるデビッド・ベイリーが主催するもので、トランプと複数回会った彼によると、トランプのスピーチは「ビットコインの歴史上最も重要な政治イベント」になるという。
ベイリーのカンファレンスはまた、2021年にエルサルバドルのナジブ・ブケレ大統領がビットコインを法定通貨として採用することを発表した場でもあった。
(forbes.com 原文)