バンドを結成したスプリングスティーンは、元音楽ジャーナリストのジョン・ランドーにマネジメントとレコードプロデュースを依頼した。1974年に初めて「ボス」の音楽を聴いたランドーが、ボストンの週刊紙リアル・ペーパーに「ロックンロールの未来を見た。その名はブルース・スプリングスティーンだ」と書いた逸話はよく知られている。そのランドーも、スプリングスティーンのおかげで2020年に「ロックの殿堂」のアーメット・アーティガン賞を受賞することになるとは当時予想だにしなかったろう。
スプリングスティーンはこれまでにスタジオアルバム21枚、ライブアルバム7枚、EP5枚を出してチャートを席巻してきた。アルバム売上総数は全世界で1億4000万枚を超える。回顧録はニューヨーク・タイムズのベストセラーランキング1位を獲得し、236回に及ぶブロードウェイ公演のチケットはいつだって完売御礼。グラミー賞20回、アカデミー賞1回、ゴールデングローブ賞2回、トニー賞特別賞を受賞し、ロックの殿堂とソングライターの殿堂の両方に名を連ねている。アメリカン・ドリームの探求を歌い続け、2009年に米芸能分野で多大な功績を残した人に贈られるケネディ・センター名誉賞を、2016年には米国最高の栄誉である大統領自由勲章を受賞した。
2021年、2回目となる「スプリングスティーン・オン・ブロードウェイ」公演の終了直後に、自身の全楽曲の著作権と原盤権をソニーミュージックに5億ドル(当時のレートで約570億円)で売却。当時ランドーは、この契約はスプリングスティーンが音楽制作に費やした半世紀にふさわしいと述べている。
そして、栄光の日々は続く。2023年、スプリングスティーンのワールドツアーは160万枚以上のチケットを売り上げ、音楽興行業界誌ポールスターによれば3億8000万ドル(約600億円)の収益を上げた。コンサートの予定は2025年半ばまで入っており、音楽活動のペースを落とすつもりはなさそうだ。ゴールデングローブ賞受賞俳優のジェレミー・アレン・ホワイトがスプリングスティーンを演じる伝記映画の制作も予定されている。
(forbes.com 原文)