その結果、O0510道路を西に十数km進んだ先にあるウクライナ側の防御拠点、クラホベへのルートが開かれた。だがその後、ロシア軍の第150自動車化狙撃師団や近傍の部隊は、O0510沿いや南の平原経由でクラホベまで到達するのに難渋することになった。
18日かその少し前にも、ロシア軍の車列縦隊が平原に突進してきて展開した。ウクライナ軍の第79独立空中強襲旅団の報告によると、各車両は破壊されて「ばらばらになり、部品と化す」という結末を迎えた。
埋設された地雷で戦車3両が動けなくなった。続いて、ドローン(無人機)や対戦車ミサイルでとどめを刺されたもようだ。装甲兵員輸送車(APC)2両も損傷した。オートバイ少なくとも1台がドローンで撃破され、ロシア兵6人もドローンに狙われて殺害された。
第79旅団の映像によると、兵士のひとりは戦闘で損壊した建物に身を隠そうとするが、建物は爆撃を受けて粉砕されている。元ウクライナ内相顧問のアントン・ヘラシチェンコの説明によれば、誘導航空爆弾が使われたという。
The video shows the defeat of a Russian tank assault column by Ukrainian Warriors of the 79th Air Assault Brigade.
— Anton Gerashchenko (@Gerashchenko_en) July 19, 2024
In the area of Kurakhove, Donetsk region, the Russians tried once again to break through our defenses by sending a column consisting of three newest T-72B3M tanks,… pic.twitter.com/Q6Z2y2qrpQ
ロシア軍の攻撃が撃退されるのは珍しくない。クラホベ正面では、ロシア側の攻撃はあまり遠くまで進めないケースがほとんどだ。ウクライナのシンクタンク、防衛戦略センター(CDS)によると、ウクライナ側はこの正面で17日に23回、18日に12回の攻撃を撃退している。
この攻撃で珍しかったのは、投入された部隊や装備の組み合わせだ。第79旅団やヘラシチェンコによれば、突撃部隊は最新のT-72B3M戦車3両、装甲兵員輸送車2両、そしてオートバイに乗る兵士の集団で構成されていた。戦車はドローン対策のケージ装甲と電波妨害装置(ジャマー)、地雷除去ローラーという最新機材一式も追加装備していた。
つまり、ロシアがウクライナで拡大して2年5カ月たつ戦争において、ロシア軍が用いている最良のものと最悪のものが混在していたということだ。