発見した古生物学者によって「Apex(エイペックス)」と名付けられた化石は、高さ約3.4メートル、全長約8メートル。サザビーズによれば「ほぼ完全骨格で、驚くほど保存状態が良い」という。
サザビーズは化石の発見から売却まで古生物学者と緊密に協力し、発掘、修復、骨格の組み上げのすべてを記録した。競売会社がこうした取り組みを行うのは初めて。
落札者は、ヘッジファンドのシタデル創業者でフォーブス世界長者番付41位の富豪、ケン・グリフィンだと報じられている。サザビーズによると、グリフィンは化石を米国内の機関に貸し出して公開展示したい考えで、落札後に「エイペックスは米国で生まれた。米国に留まるだろう」と述べたという。
出品者の身元は明らかにされていないが、サザビーズは「著名で尊敬を集めている商業古生物学者」で、本人所有の土地でこの化石を発見したとしている。
エイペックスは、1880年代から化石が多く見つかっている米コロラド州のモリソン層で2022年5月に発見された。英ロンドンの自然史博物館に展示されている「ソフィー」と命名されたステゴサウルスの化石に最もよく似ているが、サザビーズによれば体格はエイペックスのほうが約30%大きい。
エイペックスの落札価格は、「スタン」と名付けられたティラノサウルス・レックス(T・レックス)の3180万ドルを上回り、史上最高額を更新した。