トランプは先月、ダイモンやティム・クックなどのビジネス界の大物約80人を集めた私的な会合を開いたが、その際にダイモンから受けた印象を、「ジェイミー・ダイモンは、ビットコインに非常に否定的だったが、突然少し態度を変えた」と、7月16日のブルームバーグによるインタビュー記事で語った。
ダイモンは、ウォール街が暗号資産に友好的になり始めた中でも、ビットコインを「詐欺」や「ポンジスキーム」と呼び、4月には自身が政府にいたら「それを停止させる」と述べていた。しかし、ダイモンはその一方で、JPモルガンのチームを率いて暗号資産の取引の速度を上げ、コストを削減するための独自のブロックチェーンやJPMコインと呼ばれる暗号資産を開発した。
トランプは、大統領に返り咲いた場合にダイモンを財務長官に任命する可能性を示唆し、「私はジェイミー・ダイモンを大いに尊敬している」と語った。彼は今週、自身の副大統領候補に、ビットコインや暗号資産を支持する元ベンチャーキャピタリストのJ.D.ヴァンスを指名した。
トランプは、ここ数カ月でビットコインや暗号資産に傾倒しており、バイデン政権の反暗号資産の立場と明確に対立している。彼は5月末に暗号資産への支持を表明し、ビットコインを含む数種類の暗号資産での政治献金の受け入れを開始した。
「私は、この業界の人々が一流の人々であることを知った」とトランプは述べ、先月は米国のマイニング大手と会い、ビットコインマガジンを運営するデビッド・ベイリーにアドバイスを受けていると述べていた。ベイリーは、トランプを今月末にナッシュビルで開催される『ビットコイン2024』カンファレンスの基調講演にスピーカーとして招待した。
トランプは先月、投資家のデビッド・サックスとチャマス・パリハピティヤらが主催した資金集めのイベントで、「私は暗号資産の大統領になる」と言ったと報じられている。彼はまた、「残りのビットコインすべてを米国で採掘したい」と主張し、そのことが「我々がエネルギー優位性を持つのに役立つ」と述べていた。
トランプは、ブルームバーグの取材に、次のように語った。「もしこれを放っておけば、中国などの他の国がそれを拾うだろう。彼らはこの分野でかなり進んでいる。この分野は、今はまだ赤ん坊のようなもので、まだ未発達だが、私はこの分野を他の国に奪われるのを見たくない」
暗号資産分野の中国人起業家で、ブロックチェーンのトロンを創設したジャスティン・サンは先週、中国がビットコインや暗号資産に対して立場を逆転することを予測した。暗号資産分野の著名投資家であるブロック・ピアースも、中国が暗号資産に再びドアを開くのは時間の問題であり、「避けられないことだ」と語っていた。
(forbes.com 原文)