同賞の応募作品のなかから厳選されたグランプリおよび各賞受賞作家と最終審査進出作家、総勢58名による全62作品が、8月10日から9月22日まで、SMBC アース・ガーデンで開催される「HERALBONY Art Prize 2024 Exhibition」で展示される。
初回開催で世界中から集まった応募作品の数々
HERALBONY Art Prizeは、国籍や年齢問わず、世界中の障がいのある表現者を対象としてエントリーを受け付け。1月31日から3月15日までに、28カ国、総勢924名のアーティストから1973の応募作品が集まった。審査基準は、「独自の視点を持ち、新たな芸術創造性があるか」「社会に新たな視点や変化を投げかけるような独創性があるか」「多様性を体現する、自由な発想があるか」。
審査員は、ギャラリー・クリスチャン・バースト創設者のクリスチャン・バースト、金沢21世紀美術館チーフ キュレーター/へラルボニーアドバイザーの黒澤浩美、アーティスト/東京藝術大学長の日比野克彦、LVMH メティエ ダール ジャパン ディレクターの盛岡笑奈が務めた。
厳正な審査の結果グランプリに選ばれたのは、20歳で統合失調症を発症、闘病を続けながら、29歳から本格的に創作を始めたという浅野春香の作品「ヒョウカ」。“満月の夜の珊瑚の産卵”をテーマに描かれた本作「ヒョウカ」は、「評価されたい」という作家の純粋な感情から制作されたという。ほか、企業賞が7作品、審査員特別賞として4名が選出された。
「HERALBONY Art Prize」が目指す形
「10年先には国際アートアワードのひとつとして認知してもらえるようになりたい」と、へラルボニー代表の松田崇弥。第一回となる今年も、審査・表彰・展覧会を行って終了するのではなく、作家・作品をさらにブランディングするストーリーを構想中だ。東京建物、サンゲツ、東日本旅客鉄道、ジンズ、丸井グループなど、多くの企業からの協賛を得て、単なる賞の授与だけではなく、受賞作家や作品と企業によるサステナブルな取り組みに繋げていくことを目指している。
「憧れを持たれる・称賛される機会がとても少ないのが、障がいのある方、特に知的障がいのある方の領域。HERALBONY Art Prizeの開催を通じて、『異彩』を称え、広めることが当たり前に行われる社会に変えていきたい。 そして、普段アートとあまり関わりのないような人たちが、異彩作家や異彩作品に何気なく触れて『かっけーじゃん!』と驚くような世界を目指したいと思っています」(松田)
へラルボニーが描く未来のスタート地点を、「HERALBONY Art Prize 2024 Exhibition」で目撃することができるはずだ。