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2024.07.18 11:30

ゲーム業界は今後5年でさらに成長、2028年までに年間収益48兆円超え PwC

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ゲーム業界は過去数年間の人員削減とポジション減少によって大きな影響を受けてきたが、それでも今後5年間で強い成長を遂げる見込みだ。プライスウォーターハウスクーパース(PwC)の新たなレポートによれば、2028年までに年間収益は3000億ドル(約47兆5300億円)を超え、2019年の収益の2倍以上になるという。

今週発表された『Global Telecom and Entertainment & Media Outlook 2024-2028』によると、ゲームはエンターテインメントおよびメディア業界の中で最も成長が速い大型セクターの1つである。このレポートは、「セグメントが成熟するにつれて成長のペースは鈍化するだろう」としながらも、2028年までにゲームが市場全体の9%を占めると述べている。

北米、欧州、中東、アフリカ、ラテンアメリカ、アジア太平洋の53の地域(世界人口の約80%)を対象としたこのレポートは、今後4年間で富の増加を加速させる要因としてソーシャルゲームとカジュアルゲームのプラットフォームを挙げている。これらは2023年の全体収益の68.7%を占めており、2028年までにはシェアが76.4%に達すると予測されている。

PwCによれば、この傾向により従来型ゲームの業界における占有率は今後5年間で28.6%から21.4%に減少するという。eスポーツ(競技型ビデオゲーム)やゲーム内広告も、近年大きな収益源として注目されているが、2028年までの収益全体の3%にも満たない「非常に小さな構成要素」に留まるとされている。もちろん現在、サウジアラビアで開催中の初のeスポーツワールドカップは、この状況を変えることを目指しているだろう。

アジア太平洋地域は、ビデオゲームとeスポーツに関する最大の収益を生み出す地域であり、変革を推進する役割を果たすだろう。2023年にはこの地域は1096億ドル(48.1%)の収益を上げたが、2028年までに1818億ドル(54.4%)に達するとPwCは見ている。市場は拡大し続けており、日本と中国がゲーマーの中心地であり続ける一方で、同社はインドネシアとパキスタンを成長の鍵となる国として挙げている。

業界の収益は従来、ゲームの購入とサブスクリプション(定額制サービス)によって特徴づけられていたが、PwCはゲーム内広告がより顕著になると述べている。ソーシャルゲームとカジュアルゲームのアプリ内収益は2028年までに829億ドル(約13兆1300億円)から1479億ドル(約23兆4300億円)に急増すると予測されている一方、ゲーム内広告収益はより緩やかに724億ドル(約11兆4700億円)から1066億ドル(約16兆8900億円)に増加すると見込まれている。

PwCは、2025年の発売が噂されるNintendo Switchの後継機を重要な牽引力として挙げており、「新製品、新技術、新しいビジネスモデルへの投資」も併せて指摘している。また、若年層が引き続き市場を牽引すると見られ、PwCはディズニーとEpic Gamesが現在、『フォートナイト』をスター・ウォーズ、マーベル、ピクサーの人気コンテンツシリーズと組み合わせる取り組みを行っていることにも言及している。

forbes.com 原文

翻訳=酒匂寛

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