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2024.07.17 17:00

【米国株ウォッチ】ユナイテッド航空が本日決算発表、Q2決算はどうなる?

Nicolas Economou/NurPhoto via Getty Images

ユナイテッド航空(ティッカーシンボル:UAL)は、米国時間7月17日に2024年度第2四半期決算を発表する予定だ。私たちの予想では、同社の売上高は152億ドル(約2兆4000億円)に、EPS(1株当たりの純利益)は市場予想と同じく、3.99ドルになると考えている。

ユナイテッド航空は現在の好調な旅行需要から恩恵を受けるはずだ。同社は第2四半期に市場予想と同等の業績を達成するだけでなく、約47ドルという現在の株価水準を踏まえると、株価には上昇余地が十分にあると私たちは考える。

ユナイテッド航空の業績を牽引しそうなトレンドには、どのようなものがあるだろうか?

株価パフォーマンス

まず、近年のUALのパフォーマンスを見てみよう。UALはこの数年間でほとんど変化がなく、2021年1月上旬につけた43ドル台から、現在の47ドル前後という水準まで小動きに留まるのに対し、S&P500種株価指数はこの約3年間で約50%上昇している。全体として、S&P500に対するUALのパフォーマンスは冴えない。2021年のリターンは1%、2022年はマイナス14%、2023年は9%であった。これに対し、S&P500のリターンは2021年に27%、2022年にマイナス19%、2023年に24%であり、UALのパフォーマンスは2021年と2023年にS&P500を下回っている。

現在の株価水準は割安か

バリュエーションの観点で見ると、UALは魅力的だと考える。私たちはUALの目標株価を60ドルとしており、これは現在の47ドルという株価から約28%高い水準だ。この目標株価は、2024年度通期における調整後EPSの予想値である9.75ドルに、6倍のPER(株価収益率)を掛け合わせて算出した。なお、同社のガイダンスでは、今年度のEPSは9ドルから11ドルの範囲になるとされている。

直近の決算動向

前四半期の決算では、売上高は125億ドル(約1兆9798億円)で、前年同期比9.7%増だった。輸送容量を表す座席マイルは9%増加し、座席マイルあたりの旅客収入も1%増加した。調整後の税引前利益率は、前年同期のマイナス2.3%からマイナス0.6%へと改善した。同社の最終損益は、調整後で0.15ドル(前年同期は0.63ドル)となった。1ガロンあたりの平均燃料費が前年同期比13.5%減少し、そのコスト削減効果により利益が押し上げられた。平均燃料費は前四半期比でも減少した。なお、同四半期の業績には、総額2億ドル(約316億円)のボーイング737MAXの安全性懸念による悪影響が含まれている。

直近の四半期について言えば、同社は引き続き輸送容量の増加による恩恵を受けると思われるが、座席稼働率とイールド(旅客1人に対する1マイル当たりの収入単価)は前年同期の水準を若干下回る可能性がある。また、主に賃金の増加により、燃料費以外のコストが引き続き増加するであろう事には注視が必要だ。

総じて、ユナイテッド航空の株価は引き続き魅力的な水準であり、第2四半期の決算は、市場予測と同等の業績になる可能性が高いと私たちは考えている。

forbes.com原文

翻訳=江津拓哉

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