マスクは当初、2024年の大統領選では中立を保つつもりだと語っていたが、この度新たに設立されたAmerica PAC(アメリカPAC)に寄付する計画を周囲に伝えたと、マスクに詳しい情報筋の話を引用し同紙は報じた。
また、ブルームバーグは先週、匿名の情報筋の話として、マスクがすでに多額の寄付をしているとも報じている。
アメリカPACは上記の報道と時を同じくする15日、ニューヨーク・タイムズ紙の取材に対し、ジョー・バイデン大統領の続投は 「米国の財政的、物理的安全にとって重大な脅威である」と語った。
アメリカPACは、億万長者のアントニオ・グラシアスや、マスクとペイパルを共同創業し、トランプ政権下では在スウェーデン大使を務めたケン・ハワリー、億万長者のベンチャーキャピタリストであるダグ・レオーネらによって支援されており、タイムズ紙によれば、それぞれ100万ドル(約1億5800万円)の寄付をしている。
また、同紙の報道によれば、セコイア・キャピタルのパートナーであるショーン・マグワイアと起業家のジョン・ヘリングもそれぞれ50万ドル(約8000万円)を寄付し、暗号通貨業界の億万長者としても知られるウィンクルボス兄弟は、それぞれ25万ドル(約4000万円)を寄付したという。アメリカPACは、パランティア・テクノロジーズの共同創業者であるジョー・ロンズデールが率いている、もしくは少なくともリーダーの一翼を担っているとされている。
トランプ大統領は米国時間7月13日にペンシルベニア州で開かれた集会で耳を撃たれ、シークレットサービスに抱えられてステージを降り、顔が血まみれになった。マスクはその数分後に、トランプ大統領への支持を表明している。「私はトランプ大統領を全面的に支持する。彼の一刻も早い回復を願う」とマスクはX(旧ツイッター)に書き込み、トランプがエスコートされる動画を共有した。
ここ数カ月の間、マスクとトランプとの急接近が報じられており、3月にはマスクがフロリダ州パームビーチでトランプや共和党の献金者と会談したとの報道もあった。同報道の後、マスクは 「はっきりさせておきたいが、私はどちらの大統領候補にも寄付をしていない」とXに投稿していた。
マスクはこれまで共和党と民主党の両方に献金してきたが、近年は右傾化したと見られており、2022年の中間選挙では共和党に投票するよう促し、電気自動車(EV)や移民に対する政策などを含む、バイデン大統領の政策を公然と批判していた。
フォーブスは、マスクの資産総額を2523億ドル(約40兆円)と推定している。
(forbes.com原文)