2016年から続く軋轢
オバマが、バイデンの候補者としての進退をどのように考えているかは不明であり、バイデンがオバマの助言を受け入れるかどうかも分からない。民主党の政治顧問でバイデンの盟友であるドミトリ・メルホルンは、8日のニュースサイトDrop Site Newsのインタビューで、バイデンが2016年の選挙戦の前に感じたプレッシャーは、今でも彼に重くのしかかっていると語った。「ジョー・バイデンは2016年にこれらの議論に耳を傾けたことに悩まされている。そして彼は正しかった。我々は皆間違っていた。彼が2016年に出馬していれば、今の状況はなかっただろう」と、メルホルンはオバマを特に名指しせずに語った。ジョージ・クルーニーは、6月にジュリア・ロバーツらを招いたバイデン陣営のための資金集めイベントを共同主催していた。10日付けのニューヨーク・タイムズへの寄稿で、彼は先月会ったバイデン大統領が「2010年の立派なジョー・バイデンとは違う人物だった。2020年のバイデンでもなかった。彼は、私たちが討論会で目撃したのと同じ男だった」と書いた。
Politicoは10日に、クルーニーがバイデン大統領に撤退を迫る計画をオバマが知っていたが、反対しなかったと報じた。ワシントン・ポストの報道によれば、オバマは数カ月前からバイデンと彼の陣営にトランプの当選の可能性を真剣に受け止めるよう警告しており、最近では、オバマが関係者に対し、例のテレビ討論によりバイデンがトランプに勝利する可能性が低くなったと語ったという。
一方、オバマは、公の場で繰り返しバイデンを擁護している。「討論会でひどい夜が訪れることはある」と彼は討論の後にX(旧ツイッター)に投稿した。「信じてほしい、私は知っている。だが、今回の選挙は、生涯を通じて一般市民のために戦ってきた人と、自分のことしか考えていない人との選択だ。昨夜もそれは変わらなかったが、だからこそ11月に多くのことが懸かっている」
Bad debate nights happen. Trust me, I know. But this election is still a choice between someone who has fought for ordinary folks his entire life and someone who only cares about himself. Between someone who tells the truth; who knows right from wrong and will give it to the…
— Barack Obama (@BarackObama) June 28, 2024
トランプは以前から、バイデン政権内でオバマが影の政府を運営しているという根拠のない陰謀論を広めてきた。トランプは10月のニューハンプシャーでの演説でオバマをバイデンの「ボス」と呼び、その月のアイオワでの集会で「バイデンは十分に賢いとは思えない」と述べた。
この陰謀論は、2020年にオバマが深夜番組の司会者を務めるスティーブン・コルベアに、大統領を退任した自分の理想の役割は、自身の代わりにフロントマン、あるいはフロントウーマンを務める人物を持ち、目立たない場所からイヤーピースを通じて「台詞を伝える」ことだと冗談混じりに話したことに端を発している。(forbes.com 原文)